悪玉菌の増殖だけを抑える物質「W27抗体」(IgA抗体) 腸炎治療・腸内細菌叢改善薬の開発に期待|奈良先端大

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参考画像:悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌をIgA抗体で制御~腸内細菌叢改善薬の開発に道~|奈良先端科学技術大学院大学




悪玉菌の増殖だけを抑える物質が判明 腸炎治療に応用へ

(2016/7/7、ITmediaニュース)

マウスの腸内から取り出したさまざまな抗体を調べたところ、W27抗体に腸炎を抑える効果があると判明。同物質は、ある特定のアミノ酸配列を持つ代謝酵素を識別して結合することで、ビフィズス菌や乳酸菌といった“善玉菌”の増殖を妨げずに悪玉菌だけの増殖を抑制。全体として善玉菌が悪玉菌より優位になる環境を作り出し、腸内環境を改善する効果がみられた。

奈良先端科学技術大学院大学は、マウスの腸内にある「W27抗体」という物質が、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」の増殖を妨げずに大腸菌などの「悪玉菌」だけの増殖を抑制することにより、腸内環境を改善しする効果があることがわかったそうです。

今後、腸炎などの予防法や治療薬の開発につながる可能性があるそうです。

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参考画像:悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌をIgA抗体で制御~腸内細菌叢改善薬の開発に道~|奈良先端科学技術大学院大学

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【参考リンク】

【用語】

W27IgA抗体(W27抗体)

健康なマウスの小腸で産生される多種類のIgA抗体の中の1つの種類。多くの種類の腸内細菌に一番強く結合するIgA抗体として選択された。