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■喫煙(医療費の支出・生産性の喪失)による経済損失は約155兆円|WHO
by Roman Pavlyuk(画像:Creative Commons)
(2017/5/30、AFP)
WHOの推計によると、家庭や政府による医療費の支出、および生産性の喪失によって毎年1兆4000億ドル(約155兆円)以上の損失が生じているという。
世界保健機関(WHO)の報告書によれば、喫煙やたばこ類の使用によって、毎年700万人以上が亡くなっており、たばこによる経済的損失は1兆4000億ドル(約155兆円)に上るそうです。
比較する数字を探してみました。
●運動不足
運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究で紹介した英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によると、日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)に上るとされています。
医療費538億ドル(約5兆6000億円)と生産性の損失による損失額137億ドル(約1兆4000億円)に大別されます。
●心臓病
高コレステロール血症患者のLDLコレステロールの管理不徹底による心臓病の発症は年間約2.8万件と推計|東大大学院・サノフィで紹介したサノフィ株式会社と東京大学大学院薬学系研究科・五十嵐中特任准教授の共同研究によれば、心臓病によって、社会全体で年間約704.5億円の経済損失が発生しているそうです。
●飲みすぎ
飲み過ぎは4兆円の社会的損失?|厚生労働省研究班で紹介した厚生労働省研究班の推計によれば、アルコールの飲み過ぎによる社会的損失は、4兆円に達するそうです。
アルコールの飲み過ぎによる病気やけがの患者の治療に1兆226億円、69歳まで生きた場合に受け取れた賃金1兆762億円、労働生産性の低下による損失で1兆9700億円、飲酒交通事故などを含めると、その損失は4兆円に達したそうで、総額は、たばこの社会的な損失(5兆~7兆円)にほぼ匹敵したとあります。
■まとめ
WHOによれば、喫煙(医療費の支出・生産性の喪失)による経済損失は約155兆円に上るそうです。
受動喫煙対策などタバコに対する目はどんどん厳しくなっています。
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喫煙者への目が厳しくなる一方、保険業界ではタバコを吸わない人には優遇される仕組みが取り入れられています。
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喫煙者に対して厳しくするのではなく、タバコを吸わない人が得をする仕組みを作ることで、喫煙者の人が自然と禁煙したくなるという流れにした方がよいのではないでしょうか?
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