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■汗そのものがアトピー性皮膚炎の症状悪化の原因ではない!汗をかいて洗い流すことで症状改善
by Shawn Perez(画像:Creative Commons)
痛痒いアトピー性皮膚炎 汗をかいて洗い流すことで症状改善
(2014/9/28、NEWSポストセブン)
大阪大学医学部附属病院皮膚科の室田浩之医師の話。
「最近の研究で、汗そのものが症状悪化の原因ではないことが明らかになっています。むしろ汗をかかないと、熱がこもり皮膚の温度が上がり、乾燥しますし、感染も起こしやすくなります。これがアトピー症状悪化の要因です」
汗をかくと、皮膚がかゆくなるので、汗をかかないようにという指導を行うことがあるようですが、今回の記事によれば、汗自体がアトピー性皮膚炎の症状悪化の原因ではなく、むしろ汗をかかないとアトピーの症状が悪化してしまうそうです。
■アトピー性皮膚炎では発汗が減少する
アレルギーの主役・ヒスタミンが発汗を抑制していた―アトピー性皮膚炎や発汗異常症などの治療に光―
(2013/7/31、大阪大学)
アトピー性皮膚炎において汗は悪化因子とされていますが、実際には発汗量は減少しており、たとえかいていると感じていても体温調節に必要な量が出ていないことが確認されています。その結果、皮膚は熱をもち、病原体への抵抗性を失い、乾燥することでアトピー性皮膚炎が悪化すると考えられます。これまで発汗機能低下の原因はよくわかっていませんでした。研究者らは、アレルギーに関わる因子が発汗に影響を与えると予想しました。その結果、アセチルコリン※2で実験的に誘発される発汗がヒスタミンによって抑制される現象を確認しました。
大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座(皮膚科学)室田浩之講師、松井佐起医員らの研究グループによれば、アトピー性皮膚炎ではヒスタミンによって発汗が抑制されているそうです。
汗の量は多すぎても少なすぎても皮膚の健康を損なってしまうので、正しく発汗できるようにすることもアトピー性皮膚炎の治療のひとつであると考えられます。
■ポイントは、汗をかいた後どうするか
ポイントは、汗をかいた後どうするかです。
できれば汗を洗い流す、難しい場合はおしぼりなので汗を拭き取るようにするとよいそうです。
ステロイド外用薬も効きにくい患者40症例を対象に治療を実施したところ、大半が約1か月で症状が改善した。
汗をかく機会を増やし、汗をかいた後のケアをすることで、患者の大半が症状が改善したそうです。
汗には、大量にかいて体温を下げる体温調節機能や細菌の感染を防ぐ物質を出す防御機能、さらに皮膚の保湿に関わる因子も含まれている。
汗自体には体温調節機能、防御機能、保湿といった良い面があるので、健康的な肌にしていくためにも、しっかりと汗をかく機会を増やしたいですね。
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