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ナノカプセルで疾患部位にピンポイントで治療薬を届ける技術|ドラッグデリバリーシステム(DDS)

Capsules

by vinod velayudhan(画像:Creative Commons)




がんの日帰り治療を可能とするナノマシン – 東大などが開発

(2015/6/10、マイナビニュース)

東京工業大学(東工大)や東京大学(東大)、放射線医学総合研究所(放医研)などで構成される研究グループは6月10日、日帰りがん治療の実現に向けたナノマシン技術を開発したと発表した。

片岡一則氏らのグループが研究しているのは、「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」というナノカプセル(ミセル化ナノ粒子)の中に薬を入れて、体の中の疾患部位にその薬を届けるという技術です。

目には見えないほど小さなナノカプセルでがんを直撃

(2015/8/26、日経ビジネス)

ナノカプセルとはその名の通り、直径数十ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの小さなカプセルだ。これを使い、狙った患部だけに薬剤を届ける仕組みを「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」と呼ぶ。

現在は様々なテクノロジーでアプローチしているものの、疾患部位にピンポイントで治療薬を届けるというアイデアに注目が集まっているようです。

新しいがん治療法開発 「ノーベル有力」崇城大特任教授

(2016/9/30、朝日新聞)

前田さんは、薬を作用させたいところにだけ送る「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」の研究に長年取り組む。がん治療の場合、従来の抗がん剤だと正常細胞も傷つけるが、がん細胞だけに薬を届けられれば効果が高く、副作用の少ない「患者に優しい治療」が期待できる。

 正常細胞の血管には小さい隙間が空いているのに対し、がん細胞では大きな隙間が多い特徴がある。低分子型の従来の抗がん剤はサイズが小さく、小さな隙間を通って正常細胞にも漏れてしまうが、サイズが大きな高分子型の抗がん剤なら正常細胞に漏れることを防げる「EPR効果」を1986年に発見。その後、従来の抗がん剤に高分子をくっつけた新しい抗がん剤の開発につなげた。正常細胞より20~100倍高い濃度でがん細胞に薬を集められるという。

ノーベル化学賞の有力候補に挙げられた崇城大の前田浩・特任教授(77)はドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System, DDS)研究の第一人者です。

DDSのポイントは、がん細胞だけに薬を届けることで、治療効果が高く、副作用が少ないことです。

■ピンポイントで治療薬を届けるアイデアの例

GOOGLEX、ナノ粒子とウェアラブル端末を用いてがんを早期発見するプロジェクトを発表によれば、「Google X」で生体研究プロジェクトを統括しているAndrew Conrad氏が先日発表したのは、ナノ粒子とウェアラブル端末を用いてがんなどを早期発見するというプロジェクトです。

ナノ粒子を用いたアテローム性動脈硬化症の新治療法とは−米研究によれば、ナノ粒子に抗炎症薬を組み込んで運ばせ、プラークが蓄積されている部位で治療薬を放出させるという研究が行われているそうです。

血液の中を泳いで薬を届ける「3Dプリント魚」が開発される|カリフォルニア大学サンディエゴ校によれば、3Dプリントでできた魚型ロボットが、人間の血液の中を泳いでいって、毒素を探知したり、目的部位に薬を運んだりすることができるようになるかもしれないそうです。

ROBOT ORIGAMI |折り紙からインスピレーションを受けて作られた小さな医療用ロボットが開発によれば、小さな医療用ロボットが人体内部の奥深くに薬品を届けたり、医療行為を行ったりするのに利用できる可能性が期待されています。

■まとめ

以前NHKの子供向けに放送されていた番組「天才てれびくん!」では、将来ナノマシンで治療をするというストーリーのアニメ「ナノセイバー」がありました。

救命戦士ナノセイバー ー Wikipedia

22世紀に入り、子供の社会進出が加速する中、医学界において、体内にナノマシンを投入し疾病を防ぐという、革命的な治療法が開発される。同じく医学界において子供医師として活躍していた恵達ナノセイバーは、これらの技術を応用したバーチャルワールドを利用して体内に入りこみ、バーチャルメディカルステーション(以下VMS)に運び込まれる患者の治療を行なってゆく。

これからはこのアイデアが主流になっていきそうですね。







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