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DNAを切らずに書き換える新しいゲノム編集技術「Target-AID」の開発に成功|神戸大学

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参考画像:神戸大学スクリーンショット




DNAを切らずに書き換える新たなゲノム編集技術「Target-AID」の開発に成功

(2016/8/5、神戸大学)

本研究では、人工ヌクレアーゼを利用した技術である「CRISPRシステム」から、ヌクレアーゼ活性を除去したものに、脱アミノ化酵素であるデアミナーゼを付加した人工酵素複合体(図1)を構築し、酵母および動物細胞の中で発現させることで、狙った点変異※3を高効率に導入して遺伝子機能を改変できることを実証しました(図2)。また、DNAを切断せずに改変することで、従来のヌクレアーゼ型に比べて、細胞毒性が大幅に低減していることも確認できました。

ゲノム編集の新技術 DNA切らずに遺伝子書き換え

(2016/8/5、NHK)

グループによりますとこれまでのゲノム編集の技術では遺伝子を操作する際にDNAを切断する必要があるため予想外の反応が出ることが多く、時には細胞が死んでしまうこともあったということです。

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の西田敬二特命准教授・近藤昭彦教授と、東京大学先端科学技術研究センターの谷内江望准教授、静岡県立大学食品栄養科学部環境生命科学科の原清敬准教授らの研究グループは、「デアミナーゼ」という酵素を使って、DNAの特定の部分に直接、反応させることでDNAを切断することなしに遺伝子を書き換える新たなゲノム編集技術「Target-AID」の開発に成功したそうです。

西田特命准教授によれば、今回の従来より安全に高い精度で遺伝子を操作できる技術によって、これまでは難しかったより精密にDNAを変えたいというニーズに応えることができ、安全性が高いので植物の品種改良や薬の開発、遺伝子治療にも応用が期待できるそうです。




ノーベル賞の期待も!ゲノム編集技術「CRISPR/CAS9(クリスパーキャスナイン)」とは?

CRISPR/Cas9は、遺伝子を改変して病気を取り除いたり、新たな遺伝子を埋め込んだりする遺伝子編集ツールで、細菌がウイルスから身を守るための仕組みであるCRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)システムを応用しており、ノーベル賞が期待されるほど注目されています。

■まとめ

今回のポイントは、「DNAを切断することなしに遺伝子を書き換えられる」ということです。

もちろん倫理的な問題はあるでしょうが、より安全にできるようになったということで、一歩前進したのではないでしょうか。