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事業再構築補助金は労働集約型の中小企業を支える政策から新しい働き方・産業へのシフト、中小企業を卒業し中堅企業への成長を推し進めていく政策という国からのメッセージ




経済産業省が始める「事業再構築補助金」は、新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援するもの。

コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ(令和3年2月 内閣官房 成長戦略会議事務局/経済産業省 経済産業政策局)をみても、新型コロナ禍におけるアメリカと日本の経済や働き方(在宅勤務)を比較する中で、事業再構築を推し進めている印象を受けます。

例えば、米国では「在宅勤務は職場勤務より効率性が下がる」という否定的な評価が解消されつつあるのに対して、日本では対面での素早い情報交換ができない、設備が劣る、ルールで自宅ではできない仕事があるといった理由から「在宅勤務の方が生産性が低い」と回答した割合が非常に高いのですが、これは米国の在宅勤務に関する投資が大きいから、また日本の社内の働き方改革が進んでいないことが要因として挙げられると読み取れます。

また、労働集約的な業種(飲食・道路運送・冠婚葬祭・クリーニング・理美容等)では失業なき労働移動への対応が必要であったり、日本の消費のオンライン化が進んでいること、日本の事業再構築の事例を挙げていることから、日本における労働集約的な業種の事業再編を望んでいることが読み取れます。

こうしたことを踏まえると、日本ではこれまで労働集約型の中小企業が日本を支えてきましたが、この構造により、小規模事業者が増加し、国全体の生産性が下がっていて、新型コロナ禍を契機に、新しい働き方・産業へのシフト、中小企業を卒業し中堅企業への成長を推し進めていく政策を行なっていくのはないかと考えられます。