(2024/4/12、早稲田大学)
WHOの身体活動に関する最新ガイドラインでは、1週間あたり150分以上の有酸素運動や週2回以上の筋力トレーニングが推奨されていますが、忙しい現代社会において推奨される運動を実際に行うのは難しいため、近年、トレーニング効果を生み出す『最少量』の研究が盛んに行われています。
【関連記事】
- 筋トレで死亡・疾病リスクが減少 週30~60分を目安に|東北大学
- 筋トレ1日3秒でも効果あり!/1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」をすることで筋力がアップすることが明らかに!|新潟医療福祉大学
- 糖尿病の予防には週に7分の運動でも効果がある=英研究
- 運動不足の成人、世界で14億人余り|座りがちのライフスタイルが広がりが背景|運動する人を増やすためには考え方をアップデートしよう!
- 運動したいけど運動する時間が取れない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答
- 週250分の運動で脂肪肝改善 「やせなくても効果あり」―筑波大研究グループ
- 隠れ糖尿病の原因は脂肪肝と脂肪筋|ためしてガッテン(NHK)
- 座る時間が増えると、糖尿病やメタボのリスクが増える!?
- 定期的に運動していれば、「座る」と「立つ」に健康リスクへの差はない!?
- 脂肪は20分以上運動しないと燃えない?ウソ?ホント?
最新知見では、わずか40秒の高強度間欠的運動(20秒の全力運動を、休憩を挟んで2本実施)が、30分以上を要する中程度の強度の有酸素運動と同等もしくはそれ以上に最大酸素摂取量(1分当たりの酸素摂取量の最大値。全身持久力の指標であり、特に持久系アスリートにおいて高い値が観察される。)を向上させることが明らかになっています。
10秒以上の全力スプリントを反復する場合、全身・筋肉の有酸素性エネルギー代謝を高めるためには2本で十分である。
総運動時間(40秒)を運動課題間で統一した場合、(スプリントの本数を減らして)スプリント1本あたりの時間を長くすることで、筋肉の酸素消費量を最大限に高められる。
わずか40秒の高強度間欠的運動で、大腿部の主要な筋群の活動が高まる。
今回の研究によれば、週に1~2回20秒の全力スプリント2本を実施することで、有酸素性エネルギー代謝、そして大腿部の筋活動を十分に高められることがわかったことにより、定期的にこの運動を行うことで全身持久力の指標である最大酸素摂取量や大腿部の筋肉量・筋力の改善が期待できると考えられます。
最大酸素摂取量の改善は病気の予防につながることが明らかになっており、また加齢の影響を最も受けやすい大腿部の筋肉量の減少を食い止める助けになることが期待されます。
【関連記事】