トクホ市場、初の減少 低価格志向強まる 09年度
(2010/4/27、朝日新聞)
健康志向の高まりとともに拡大してきた特定保健用食品(トクホ)が、曲がり角を迎えている。
日本健康・栄養食品協会が公表した2009年度の市場規模は、07年度比19%減の5494億円で、1997年度の調査開始以来初の減少となった。
日本健康・栄養食品協会が公表した2009年度の市場規模に関する調査によれば、トクホの市場規模が調査以来、初の減少となったそうです。
以前取り上げた、2009年健康美容食品市場調査結果と2010年予測では、景気低迷やヒット商品が出ていないことが健康志向食品市場が縮小している理由としてあげています。
日本健康・栄養食品協会によれば、規模縮小の原因を消費者の低価格志向の高まりと分析しています。
協会は、規模縮小の原因を消費者の低価格商品志向の強まりと分析する。
市場の過半を占める、乳酸菌や食物繊維など、整腸関連商品の規模は前回調査より11%減った。
「デフレで、安い一般商品に顧客が流れた。トクホ商品自体の低価格化も進んだ」とみる。
デフレの影響で消費者の低価格商品志向が強まり、トクホ商品自体の低価格化が進んだことが理由と分析しています。
消費者の低価格商品志向以外にも原因があるようです。
花王の食用油「エコナ」が昨秋「体の中で発がん性物質になる恐れのある成分が含まれている」として販売を自粛したことも響いた。
エコナなど血中中性脂肪や体脂肪が気になる人向け商品の市場規模は同33%減。
協会は「トクホ制度全体の不信感を高める結果につながった」とみる。
花王のエコナの販売自粛による市場規模の減少、トクホ制度への不信感の高まりも規模縮小の原因として考えられるようです。
これまでは、トクホ商品であることが、消費者の信用や売り上げ増につながったため、食品メーカーがトクホを取得していましたが、今後はどうなるのでしょうか。