■痛みが神経の病気の再発のきっかけとなる|痛み自体の抑制・痛み由来の神経ネットワークの抑制によって多発性硬化症など中枢神経系の病気の再発を防ぐ手段となりえる|北大
参考画像:痛みが神経の病気を悪化させることを実証(2015/7/24、北海道大学ニュースリリース)|スクリーンショット
(2015/7/24、北海道大学ニュースリリース)
今回,「痛み」を介する神経ネットワークが,病気の症状にどのような影響を与えるのかを多発性硬化症(1)の動物モデル(EAE)(2)マウスを使って調べました。その結果,実験的に痛みを与えると EAEの症状が悪化し,逆に鎮痛剤を与えるとその症状が改善しました。このことは,痛みが直接的に病気の進行に関与していることを示しています。次に,一過性に病気を発症するようなマウスを利用して,症状が落ち着いたとき(寛解期)に痛みを誘導しました。すると,EAE の症状が再発しましたが,他のストレスでは EAE は再発しませんでした。
これまで痛みと病気の症状や進行との直接的な関連性は考えられていませんでしたが、今回紹介する研究によれば、痛みそのものが神経の病気の再発のきっかけとなり、また、痛み自体を抑制、あるいは痛み由来の神経ネットワークを抑制することによって中枢神経系の病気の再発を防ぐ手段となりえると考えられるそうです。
■まとめ
今回の研究によって、病気が再発してから再度治療するのではなく、痛みを抑えることが病気の再発を防ぐ手段になる可能性があることが考えられることから、病気に対する再発予防のアプローチが変わってくるかもしれませんね。
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