by Wojtek Mejor(画像:Creative Commons)
(2016/4/20、朝日新聞)
肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)とされる患者が17、18日の2日間で10人搬送された済生会熊本病院の中尾浩一副院長は話す。うち8人が女性だった。
熊本・山口を中心に起きた地震で避難している方の中で、エコノミークラス症候群とされる患者が増えているそうです。
■エコノミークラス症候群とは
エコノミークラス症候群とは、文字通り飛行機のエコノミークラスのような狭い座席に長時間足を動かさずにいると血流が悪くなり、その結果足に血栓ができ、その血栓が血流に乗って、肺の血管に詰まる可能性のある病気です。
04年の新潟県中越地震や07年の新潟県中越沖地震で避難生活を送っていた被災者に症状が確認されていたそうです。
この病気が注目されたのは2004年の新潟県中越地震がきっかけだ。車中泊避難者が最大で約10万人いたと推測され、2週間以内に発症したのは少なくとも11人。いずれも女性で、そのうち6人が亡くなった。今回の地震では19日までに18人が報告されている。中越地震も調査した榛沢(はんざわ)和彦・新潟大講師(心臓血管外科)は「非常に速いペース。車中泊や避難所生活を続ければ、運動する機会が減って血流が悪くなり、リスクは増える」と話す。
厚生労働省によれば、エコノミークラス症候群の初期症状は足が赤くなる、足がむくむなどの症状があり、症状が進むと胸の痛みや息切れ、失神などの症状が出て、最悪の場合死亡することもあるそうです。
エコノミークラス症候群は中高年の女性に多いというデータがあるそうで、済生会熊本病院に搬送された患者10人のうち8人が女性だったこともそのデータを裏付ける材料となりそうです。
■エコノミークラス症候群の予防法
新潟大の榛沢さんらは、19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象にエコノミークラス症候群の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施。その結果、26人を調べたうち、4人に血栓やそれにつながる血のよどみがあった。いずれも受診をすすめるほどではなかったという。全員に血栓の発生を予防する弾性ストッキングを配布した。
エコノミークラス症候群の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施したところ、26人のうち4人に血栓やそれにつながる血のよどみが見つかったそうです。
検査を受けた方全員に血栓の発生を予防する弾性ストッキングを配布したそうですが、【ためしてガッテン】すし職人が絶賛!足の疲れ&むくみ解消&下肢静脈瘤予防グッズ|弾性ストッキング(着圧ソックス)|1月27日によれば、医療用弾性ストッキングは、足に適度な圧力を加えて余分な血液がたまることを予防し、足の深部にある静脈への流れを助けてくれるそうです。
ただ、血栓の発生を予防する弾性ストッキングが全員にいきわたるのは難しいでしょうから、長時間同じ姿勢を取らないようにして、少し動くようにすること、そして水分補給を定期的に行なうことが大事です。
●エコノミークラス症候群を予防する方法
- 長時間同じ姿勢を取らない
- 1時間に1度はかかとの上下運動(20~30回)をする、歩く(3~5分)などの足の運動をする
- 血液が濃縮されないよう定期的に水分補給する
- 時々、深呼吸する
- できるだけゆったりとした服装にする
- 足を何かの上に上げた状態で寝る
→ 自動車の中で避難生活をしている人はエコノミークラス症候群になる恐れがある!?予防法とは? について詳しくはこちら
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