39歳モデル、突然の全身湿疹 まさかの原因発覚「呼吸困難も…不妊も関係」病院で診断が困難…注意喚起(2025年4月7日、スポニチアネックス)によれば、モデルの武智志穂(39)さんは病院でウイルス性発疹症という診断が出て、3か月飲み薬と塗り薬を続けたものの症状が悪化していくため、自分で調べたところ【リーキーガット症候群】【遅延型フードアレルギー】ではないかと思い、遅延型フードアレルギーの検査ができる病院で検査してもらおうとしているそうです。
賛否両論の理由「遅発型フードアレルギー検査」の正しい捉え方と推奨される人(国立消化器・内視鏡クリニック)を参考にすると、「遅発型フードアレルギー」のメカニズムはよくわかっていないようです。
日本アレルギー学会や日本小児アレルギー学会は「遅延型の食物アレルギー」の原因食品がわかるとうたう「IgG抗体検査」について「推奨しない」とする見解をまとめ、注意喚起しています。
【参考リンク】
- 〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起(2015年2月25日、日本アレルギー学会)
ここで気になるのは「そもそも遅延型(遅発型)食物アレルギーは存在するのか?」という点です。
「ない」と言い切ってしまえばそれで終わりなのですが、「ないとは言い切れない」(将来の研究で見つかる可能性があるため)だけなのか、それともその検査によって、過剰に食物を制限することを避けてほしいからなのかが気になるところです。
病気になった人は自身の症状に病名がつくことで安心するものです。
病名がわかることで治療のスタートラインに立てるのですから。
先ほどの武智さんの記事を読むと、元々健康的な肌が取り柄だったのに、その肌にぷつぷつと赤い湿疹が出てきて、「最初は腕から始まり、両耳、顔(特に目周り、小鼻横、顎、こめかみ~フェイスライン)、下半身と、胴体を除いた全てに湿疹が出るように」なったそうです。
そして、自身の食生活を比べてみたところ、小麦製品を摂取した後にひどくなっている気がして小麦アレルギーなんじゃないかと思ったり、遅延型フードアレルギーの原因となる食品例として挙げられていたものが今まで好んでいた食べ物が多かったり、月経異常と湿疹の時期が重なっていて、それも遅延型フードアレルギーのサインではないのかと考えているようです。
自身の症状が心配で、自身の症状に当てはまるものを検索して、点と点がつながったと思うケースもあるのだと思います。
ただそれがうまくつなぐことができればいいですが、誤ってつないでしまうケースもあるので、その点が心配ですね。
■まとめ
最近の研究では、最近注目されているのが炎症性皮膚疾患と脳腸相関の関係で、腸の調子が悪いと、免疫のバランスが崩れて脳に炎症が起き、それが皮膚病やうつ病を悪化させる可能性があるそうです。
【参考リンク】
- Dalgard F, Bewley A. New insights to the mind-body connection: The importance of the brain-gut microbiome for inflammatory skin diseases. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2024 May;38(5):784-785. doi: 10.1111/jdv.19946. PMID: 38661014.
ストレスや生活習慣が引き起こす炎症が、脳や腸、皮膚に影響を与え、それがまた心の病気を悪化させる…という感じで、すべてが繋がっているんですね。
この論文の大事なメッセージは、見た目に悩む皮膚病の患者さんにとって、周囲の目や心理的な負担も大きいので、皮膚病や心の病気を治すには、医者だけでなく、心理学者や栄養士などいろんな専門家が協力する「学際的アプローチ」が必要だということです。
武智さんのケースでも早く湿疹の原因がわかって治療が進むといいですね。