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高血圧ワクチン(アンジオテンシンⅡ の働きを弱めることで高血圧を治療するワクチン)|従来よりも長く半年間持続するワクチンの開発に成功|大阪大

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【目次】

■「高血圧ワクチン」の接種により最大6カ月の降圧を実現

「高血圧ワクチン」の接種により最大6カ月の降圧を実現
「高血圧ワクチン」の接種により最大6カ月の降圧を実現

参考画像:高血圧ラットの降圧を半年間持続させることに成功!(2015/5/27、Resou 大阪大学)|スクリーンショット

高血圧ラットの降圧を半年間持続させることに成功!

(2015/5/27、Resou 大阪大学)

最近、アンジオテンシンIIに対するワクチンによって、高血圧症を治療する治験が海外の研究者により行われましたが、効果は数週間しか続きませんでした。本研究で開発したワクチンを高血圧ラットに投与したところ、少なくとも半年間も降圧を持続できました。

大阪大学の郡山弘寄附講座助教、中神啓徳寄附講座教授、森下竜一寄附講座教授らの研究グループが行なったラットの実験によれば、従来より長く半年間持続するワクチン(血圧を上げる性質を持つ物質「アンジオテンシンⅡ (AngII)」の働きを弱めることで高血圧を治療するワクチン)を開発することに成功しました。

高血圧ワクチンで6カ月の降圧実現【米国心臓協会】

(2015/6/9、m3.com)

同研究では、高血圧DNAワクチンを高血圧ラットに2週間隔で3回、無針注射器を使って接種した。その結果、最長6カ月間血圧の低下が認められるとともに、高血圧に関連する心血管組織の損傷も軽減した。

米国心臓協会(AHA)が紹介した大阪大学の研究によれば、高血圧DNAワクチンの接種により最大6カ月の降圧を実現したそうです。

今回の研究のポイントは、高血圧ワクチンによって血圧が低下し、大きな副作用がなかったものの、その効果は数週間しか続かなかったのですが、今回の研究によって最大6か月間効果が持続することができたという点です。

■「高血圧ワクチン」とは?簡単なメカニズム

高血圧治療にワクチン、阪大チームが開発成功 ラットで効果

(2015/5/27、日本経済新聞)

高血圧ワクチンは、血液内のリンパ球の一種に血圧を上げる性質を持つ物質「アンジオテンシンⅡ」を攻撃するよう指令を出すことにより、リンパ球の一種が作った抗体がアンジオテンシンⅡを攻撃することで血圧の上昇を防ぐという仕組みになっています。

■背景

高血圧治療にワクチン、阪大チームが開発成功 ラットで効果

(2015/5/27、日本経済新聞)

血圧を下げる薬はすでにあるものの、毎日飲む必要があります。

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法によれば、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になると考えられるそうです。

そして、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

どんなに効果のある薬があっても、適切に服用できなければ、悪化してしまいますので、薬の飲み忘れをいかに防ぐか、もしくは薬を飲む回数を減らす方法を考える必要があるわけです。

今回の高血圧ワクチンはその薬の飲む回数を減らす方法の一つだということですね。




■心配される点

高血圧ラットの降圧を半年間持続させることに成功!

(2015/5/27、Resou 大阪大学)

ワクチン投与により、アンジオテンシンII (AngII)とHBcの融合蛋白が発現します。これを認識するB細胞は、ヘルパーT細胞からのサイトカイン刺激などを受けることにより、抗AngII抗体を産生します。その結果、血中AngII濃度が低下し、収縮期血圧の低下が長期間持続します。
一方でワクチンに使用したAngIIは非常に短く、細胞障害性T細胞に認識される配列を持たないため、有害な細胞性の自己免疫反応は起こらず、安全性が高いと考えられます。

心配されるのが自己免疫反応ですが、ラットの実験においては起こっておらず、安全性が高いと考えられますが、今後のヒトにおける治験の結果が待たれるところです。

また、血圧を下げる薬には様々な種類のものがあり、今回の高血圧ワクチンはアンジオテンシンⅡに関するものであるため、全てのものに当てはまるものではないということです。

■いつ頃から利用できるの?

アンジェスMGと阪大、高血圧治療ワクチンを17年から治験

(2016/12/9、日本経済新聞)

血圧下げるワクチンの治験…阪大発ベンチャー

(2018/5/2、読売新聞)

 日本で開発された血圧を下げるワクチンの臨床試験(治験)が先月、オーストラリアで始まった。

高血圧を治療するワクチンの治験は2018年4月よりオーストラリアで始まったようです。

現在はラットの段階で、次はオーストラリアでの治験が始まり、日本での治験は数年以内に行われ、治験が全て順調に進んだと考えても、実際に利用できるまでには5~6年かかるとみておいた方がよいようです。

■まとめ

「高血圧ワクチン」ができれば、薬の飲み忘れで病気が悪化する人も減り、医療費も減ることが期待されるため、注目してみました。

ただ、「高血圧ワクチンを利用したい!」と考えても利用できるまでには数年かかるようですから、まずは高血圧予防のためにも、生活習慣を改善をしていきましょう。

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