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■アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こす物質「インターロイキン31(IL-31)」の産生に、「EPAS1」が重要な役割を果たしていることを発見|九大
参考画像:アトピー性皮膚炎発症に関わる痒み物質の産生に重要なタンパク質を発見―新しい痒み治療薬の開発に期待―(2017/1/9、国立大学法人九州大学・国立研究開発法人日本医療研究開発機構)|スクリーンショット
アトピー性皮膚炎発症に関わる痒み物質の産生に重要なタンパク質を発見―新しい痒み治療薬の開発に期待―
(2017/1/9、国立大学法人九州大学・国立研究開発法人日本医療研究開発機構)
IL-31は、アトピー性皮膚炎発症に重要な痒み物質で、主にヘルパーT細胞(※1)から産生されますが、その産生制御機構は不明でした。研究グループは、DOCK8という分子を欠損した患者さんが重篤なアトピー性皮膚炎を発症することに着目し、このタンパク質の機能を解析しました。その結果、DOCK8が発現できないように遺伝子操作したマウスでは、IL-31の産生が著しく亢進し、重篤な皮膚炎を自然発症することを見いだしました。さらにそのメカニズムを詳細に解析したところ、DOCK8の下流でEPAS1が作動し、IL-31産生を誘導していることを突き止めました。IL-31産生におけるEPAS1の重要性は、アトピー性皮膚炎患者さんにおいても確認できました。
九州大学生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授らの研究グループは、アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こす物質である「インターロイキン31(IL-31)」の産生に、「EPAS1」というタンパク質が重要な役割を果たしていることを発見したそうです。
今後、アトピー性皮膚炎の根本的な治療のために、EPAS1—IL-31経路を断つ治療方法が期待されます。
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【追記(2021/4/20)】
アトピー性皮膚炎の発症に関わる痒み物質の産生を抑制する化合物を開発(2021/4/15、九州大学)
今回、EPAS1-IL-31経路を標的とした化合物スクリーニングを実施し、DOCK8欠損マウスのヘルパーT細胞におけるIL-31産生を選択的に抑制する化合物として、IPHBAを発見しました。IPHBAは低酸素応答や他のサイトカインの産生には影響を与えませんが、IPHBAをマウスに経口投与すると、IL-31を産生するヘルパーT細胞の移入による引っ掻き行動が抑制されました。同様のIL-31選択的な抑制効果は、アトピー性皮膚炎患者さん由来のヘルパーT細胞においても認められました。そこで、約200の類縁化合物を新たに合成し、構造活性相関を検討することで、IPHBAより薬効の強い化合物の開発に成功しました。
九州大学生体防御医学研究所の福井宣規 主幹教授、宇留野武人 准教授、國村和史 特任助教、同大学大学院医学系学府の上加世田泰久大学院生らの研究グループは、同大学大学院医学研究院の古江増隆 教授、東京大学大学院薬学系研究科の金井求 教授の研究グループとの共同研究により、アトピー性皮膚炎の主要な痒み惹起物質であるIL-31の産生を抑制する低分子化合物を開発しました。
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