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健康ナビ:アキレス腱のけが ジョギングブームで中高年ランナーに増加中。
(2010/4/16、毎日新聞)
健康ブームも手伝って、ジョギングをする中高年が増えている。
フルマラソン参加を目指すランナーもいる。
だが最近、この男性のように、アキレス腱に痛みを訴えるランナーが少なくない。
昨今のジョギングブーム・マラソンブームで走る人が増えているようですが、記事によれば、アキレス腱のケガをしている人が中高年に増加しているそうです。
■中高年ランナーが起こしやすいアキレス腱のけがは何か?
早稲田大の鳥居俊(すぐる)准教授(スポーツ整形外科)は「アキレス腱周囲炎とアキレス腱付着部炎が多い」と指摘する。
アキレス腱周囲炎はアキレス腱と、その周囲を包む組織との間に摩擦が生じて起こる炎症だ。
また、アキレス腱付着部炎は、アキレス腱とかかとの骨との間で起こる摩擦で生じる炎症で、かかとの骨が元々外側に向けて出っ張っている人の場合なりやすい。
これらの怪我を引き起こしやすくなる原因は何なのでしょうか。
これらのけがを引き起こしやすくする原因に、足の動きがある。
一般的にジョギング時に人間の足は、まずかかとの外側から着地し、次に足の裏全体で地面を踏んで、最後につま先でけるが、人によって癖がある。
鳥居准教授は「こうした一連の動きの中で無駄な動きが増えると、摩擦も大きくなり、けがを起こしやすくする」と指摘する。
それぞれの個人の足の動きの癖があり、その動きの中で無駄があると、摩擦が大きくなり、ケガを起こしやすくなるそうです。
また、アキレス腱の周囲のケガだけでなく、アキレス腱自体が損傷することもあるそうです。
また、アキレス腱そのものが損傷する「アキレス腱炎」もある。アキレス腱は、ロープのように、たくさんの細い腱が束になってできている。
大きな力が繰り返しかかると、弱っている部分が切れて炎症を引き起こす。
競技をしている若い人に多くみられるが、腱が劣化している中高年にも起きやすく、注意が必要だ。
アキレス腱周囲炎とアキレス腱炎はアキレス腱の上部で、アキレス腱付着部炎は下部で起きやすいため、痛みの場所によってある程度、けがの種類が何か判別できる。
■ケガの予防法
●シューズ選び
鳥居准教授は「自分の走りの特徴にあったシューズ選びが重要」と指摘する。
アキレス腱周囲炎は、土踏まずを持ち上げる中敷きを靴底に入れることで、本人の癖など足の無駄な動きが大きくなるのを防ぎ、炎症を起こしにくくする。
また、かかとを持ち上げる中敷きを入れると、アキレス腱付着部炎になりにくいという。
鳥居准教授は「ストレッチをしっかりして、ふくらはぎの筋肉をほぐしておくことも大切」と話す。
自分の走り方の特徴にあったシューズ選びが重要なようです。
また、しっかりとストレッチをして、ふくらはぎの筋肉をほぐしておくことも大切なのだそうです。
●年齢に応じた無理の無いペースで
また、日本靴医学会理事長の井口傑(いのくちすぐる)・元慶応大教授(整形外科)は、ジョギングでは年齢に応じた無理のないペースを守ることを勧める。
井口元教授によれば、人間の平均寿命は明治初期まで40歳くらい。
栄養状態の改善などで急激に寿命が延びたが、それに合わせて人間の足が急に進化したということはない。
腱は筋肉に比べて血行が少なく、損傷しても補修が利きにくい。
つまり、40~50歳を過ぎると、腱は言わば賞味期限が切れたような状態にあるため、無理をすればアキレス腱炎になりやすいという。
井口元教授は「中高年になったら、(腱を)節約しながら大切に使うという認識が重要。
もし痛みが走ったら決して無理をせず、休むことが大切だ」と指摘する。
痛みが取れた後の再開は「まず半分程度のペースに落とし、3週間で1割ずつペースを増やす。
再び痛みが出たところから1割ほど減らした辺りが、その人の最適なポイント」と助言する。
年齢に応じた無理の無いペースでジョギングを行うことが大事なようですね。
痛みが出たら、無理をせず、しっかり休むこと。
痛みがとれたあとも、ペースを落としてはじめ、徐々に増やすようにした方が良いようです。
せっかく健康のためを思って始めたジョギングで怪我をしては元も子もありません。
自分にあったペースで無理なく続けられるようにしましょう。
■アキレス腱とは
そもそもアキレス腱は、ふくらはぎの筋肉を、かかとの骨(踵骨(しょうこつ))につなげるための組織。
地面をけったり、かかとを引き上げたりするなど重要な役割がある。
ふくらはぎの太い筋肉の力をかかとの骨に伝えるため、一番太い場所で人さし指ほどあり、人体の腱の中で最も強いと言われる。
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