> ダイエット > 食べる速度を遅くしたゆっくりした食事&就寝2時間前の食事を避けることで肥満予防|九州大学【論文・エビデンス】
【目次】
■食べる速度を遅くしたゆっくりした食事&就寝2時間前の食事を避けることで肥満予防|九州大学
by Vetatur Fumare(画像:Creative Commons)
(2018/2/14、AFPBB)
研究チームは、こうした結果は「食べる速度を遅くすることで肥満の減少やBMI値の低下につながることを示唆している」と述べている。
「だらだら食べ」が肥満予防に?https://t.co/Gqhvd9Pi8N
●食事の速度がゆっくりなグループの肥満者の割合は21.5%
●早食いのグループの肥満者の割合は44%
●九大の研究論文によれば、早食いになりがちな人は、食べ物をよくかんで箸を休めながら食事をすることで減量できる可能性があるそうです。 pic.twitter.com/uzOzY7fwLx— ハクライドウ@Healthtech (@hakuraidou) 2018年2月14日
これまでにも早食いと肥満の関係や咀嚼する回数と肥満の関係について紹介してきました。
■早食いと肥満の関係
●満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすい|大阪大で紹介した大阪大の磯博康さんの研究チームによれば、満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすいそうです。
つまり、この研究は、食事の量や内容だけでなく、食べる早さが肥満になる要因になる可能性があることを示しています。
●早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍|岡山大が学生追跡調査で紹介した岡山大学の調査によれば、肥満でなかった人も、早食いを続けるうちに肥満になっていくということが確認されたそうで、早食いの人と早食いでない人を比較すると、早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍もあるそうです。
●早食いで満腹になるまで食べる習慣がある人は過体重リスクが3倍にで「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に掲載された研究によれば、早食いで満腹になるまで食べる習慣のある人では、過体重(overweight)になる率がそうでない人に比べて3倍高いことがわかったそうです。
●<香川県>糖尿病による死亡者数ワースト3位|炭水化物(うどん)の重ね食べ・早食いなど県民の食習慣が原因?で紹介した#血糖値スパイク #グルコーススパイク が危ない!~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~|#NHKスペシャルによれば、糖分が「大量に」かつ「いっぺんに」体内に吸収されると、“血糖値スパイク(ジェットコースターのように血糖値が急上昇及び急降下すること)”が起きやすくなってしまいますが、うどんで副菜をとらない食習慣の場合、うどんという炭水化物を大量にいっぺんにかきこむ食べ方をすると、急激に食後の血糖値が上昇してしまいます。
また、うどんは麺をすすってのどごしを味わうことが魅力のひとつですが、結果的に早食いにつながり、満腹感を味わうことや健康の視点から考えると問題があります。
【関連記事】
■咀嚼と肥満の関係
●噛む(咀嚼)ことによる3つの健康効果(唾液を多く出す・食べ過ぎを防ぐ・脳への刺激を増やす)で紹介した和洋女子大学の柳沢幸江教授によれば、噛むことには「唾液(だえき)を多く出す、食べ過ぎを防ぐ、脳への刺激を増やす」という3つの効用があるようなのです。
●女子栄養大学のダイエット術|世界一受けたい授業によれば、よく噛むと満腹中枢が刺激され、噛む行為が脳内のヒスタミン神経系に作用し、内臓脂肪が燃焼することが明らかになっているそうです。
●ヒスチジンを含む食品をよく噛んで脳内ヒスタミンを増やし食欲を抑える|ためしてガッテン(NHK)では、噛むことと満腹感の関係について紹介しました。
噛むという刺激が咀嚼中枢を通って結節乳頭核という部分に届きます。
実はここがヒスタミンを作っているところ。
そうして、満腹中枢をヒスタミンが刺激するために、満腹感を感じるようになる。
また、ヒスタミンは、交感神経も刺激して、その信号は直接内臓脂肪まで届いて、内臓脂肪を減らしてもくれる。
つまり、噛むという行為自体が満腹感を高めてくれるということがわかった。
■まとめ
新年(2018年)の目標を達成するにはどうしたらいいの?|新しい習慣作りには「きっかけ」と「報酬」が重要!|毎日の人の行動の40%がその場の決定ではなく習慣!で紹介した『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。
スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 新品価格 |
つまり、「健康のためにはバランスの良い食事と運動をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。
「健康のためにはバランスの良い食事と運動をしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあります。
そこで、よく噛むことで満腹感を高めてくれるということがわかっており、今回の研究を参考にすれば、早食いではなく、咀嚼回数を意識して、30回で飲み込める量を口に入れるようにするということをルールにするとよいのではないでしょうか。
【参考リンク(論文・エビデンス)】
- Hurst Y, Fukuda H Effects of changes in eating speed on obesity in patients with diabetes: a secondary analysis of longitudinal health check-up data BMJ Open 2018;8:e019589. doi: 10.1136/bmjopen-2017-019589
【関連記事】
- 「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例
- スマホアプリ「EcoBuy™」で食品ロスを削減する実証実験を開始|賞味期限・消費期限が近い商品を購入するとdポイントや楽天Edyを付与|NTTドコモ
- 自動貯金アプリ「finbee」・おつり貯金アプリ「しらたま」で自動的にお金を貯める仕組みをライフスタイルに組み込もう!
- メタボ追跡指導を受けた人は医療費が2割安い!
- 「#Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始
- 食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?
- 会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?
- 芸能人にも人気!パーソナルトレーニングが注目されている理由とは?|女性専用プライベートジム・東京のダイエットジム
- これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?