フィールド実証用システム構成例

知的生産性を高めるためにも、眠気の兆しを検出した段階でいかにリフレッシュをするかがポイント!





■知的生産性を高めるためにも、眠気の兆しを検出した段階でいかにリフレッシュをするかがポイント

居眠りさせないオフィス開発へ まぶた監視→室温下げる

(2018/7/26、朝日新聞)

まずはパソコンの画面にカメラをつけるなどして、働き手のまぶたの動きを追う。まぶたの動き方に変化が出れば、眠気におそわれ始めたと判断。部屋のエアコンの設定温度を一時的に数度下げて働き手に刺激を与え、目覚めを促す。

NECとダイキン工業が、仕事中にうとうとしてきたら、そのまぶたの動きを監視して、オフィスの室温を下げて目覚めを促し、オフィスでの居眠りを防ぐシステムを開発したというニュースです。

このニュースのイメージだと、社員をAIでコントロールすると思ってしまいますが、実際にそうなのかどうか、元のプレスリリースをチェックすることにしました。

Yerkes-Dodsonの法則
知的生産性を高めるには、眠気をおさえて覚醒度を適切に保つことが重要
各刺激による覚醒度の変化量(環境変化を与えない場合との比較)
空調による温度刺激では、環境変化を与えない場合と比較して平均の覚醒度が5段階中、最大で約2段階分上昇し、さらに45分以上眠気を抑制し続ける。
フィールド実証用システム構成例
まぶたの開度から眠気の兆しを検知して、空調・照明を組み合わせた刺激を与えるプロトタイプの制御システムを構築。ダイキン工業・NECの検証用オフィスにて、執務中の覚醒度データを取得して空調・照明の環境制御を行うフィールド実験を開始。

参考画像:執務空間の知的生産性向上に効果的な温度刺激の与え方を実証(2018/7/25、ダイキン)|スクリーンショット

執務空間の知的生産性向上に効果的な温度刺激の与え方を実証

(2018/7/25、ダイキン)

知的生産性を高めるには、眠気をおさえて覚醒度を適切に保つことが重要だと言われています(図1:Yerkes-Dodsonの法則※2)。

空調による温度刺激では、環境変化を与えない場合と比較して平均の覚醒度が5段階中、最大で約2段階分上昇し、さらに45分以上眠気を抑制し続けることがわかりました。また、照明やアロマによる刺激では、環境変化を与えない場合と比較して、覚醒度が最大0.5段階分上昇することを確認しています(図3:各刺激による覚醒度の変化量)。

さらに既に眠い状態になってからではなく、眠気の兆しを検出した時に刺激を与えることで覚醒効果が大きくなり、その効果は温度・照度・芳香刺激など、刺激の与え方や組み合わせで、高められることがわかりました。

プレスリリースによれば、空調による温度刺激によって眠気を抑制することができ、また、眠気の兆しを検出した時に刺激を与えると、すでに眠くなった状態になってから刺激するよりも覚醒効果が大きいということが分かったそうです。

つまり、知的生産性を高めるためにも、眠気の兆しを検出した段階でいかにリフレッシュをするかがポイントだということです。

■まとめ

室内のCO2濃度の上昇が眠気・集中力低下の原因になる!?オフィス・教室の換気をして集中力アップ!|米ローレンス・バークレー国立研究所・ニューヨーク州立大学で紹介したローレンス・バークレー研究所とニューヨーク州立大学との研究によれば、室内の二酸化炭素(CO2)濃度が高くなる(実験では2500ppmに達すると)と人々の意思決定能力を著しく損ない可能性があることから、オフィスや教室内の二酸化炭素濃度の上昇が仕事中や授業中の眠気や集中力低下の原因になる可能性があるそうです。

また、米ローレンス・バークレー国立研究所の研究によれば、室内温度21-22度で性能が向上し、23-24度を超える温度では低下することを示しています。(ただ男性と女性とでは筋肉量に違いがあるため、女性のためにエアコンの設定温度を少し高めにしておいた方がよさそうです)

これらの研究を合わせると、オフィス内の環境を変えることによって、従業員の知的生産性を高められる可能性があるということですね。

また、今回の研究を参考にすれば、眠気の原因は本人の問題ではなく、オフィス環境側の問題で眠くなったり、集中力が低下している可能性があるということです。

つまり、オフィス環境をよりよくすれば、もっとよい商品やサービスを提供できるようになるということではないでしょうか?

→ オフィスデザインのアイデア|在宅勤務制度がダメな理由|生産的なグッドアイデアを作るツール=おしゃべりの場 について詳しくはこちら

昼寝の効果を最大化する昼寝時間は「10分」がベスト?|豪フリンダース大学によれば、昼寝時間10分で、眠気や疲労、やる気、認知パフォーマンスなどの全ての面で著しい改善がみられ、この効果の一部は昼寝後155分間も効果が持続したケースもあるそうです。

そう考えると、職場でも昼寝を10分するようにするとよいのではないでしょうか?







【参考リンク】