「個人の可能性」はメガトレンド?

「個人の可能性」はメガトレンド?




「個人の可能性」はメガトレンド?
「個人の可能性」はメガトレンド?

bruce mars|unsplash

新型コロナ禍における今回の決算で好業績をあげている企業には「デジタル化」「巣ごもり」という共通点があると考えました。

ただ、CAMPFIRE代表取締役の家入さんのツイートを読むと、「個人の可能性」に賭け続けてきた企業がその波をつかんだのではないかとも考えられます。

しかし、この「個人の可能性」というのは世界的なメガトレンドなのでしょうか?

日本の構造を見ると、新型コロナ禍より以前から問題を抱えていました。

○日本企業全体の売上高のうち9割が「低収益セグメント」
○日本人の「給料安すぎ問題」
○monopsony(モノプソニー:労働者を雇う会社側の力が強くなりすぎ、労働者が「安く買い叩かれる」状態)が働く→企業の数が増える→経営者の平均的な質は低下→小規模事業者の増加→国全体の生産性が下がる

政府は2020年の成長戦略から「開業率が廃業率を上回る」との表現を削り、中小企業の統廃合を含めた新陳代謝を促し全体の生産性向上を目指す方針を掲げるそうです。

つまり、日本としては「個人」への分散よりも、「組織」への集中へと動いているのではないかと考えられます。

このような状況下でも「個人の可能性」を求める兆しもあります。

今は「誰が」発信するかが重要な時代になっていて、すでに「個人のメディア化」から「個人経済圏」へと動き出しています。

ただそれは一部のインフルエンサーという「個人」です。

私達のような普通の「個人」が活躍できる可能性はあるのでしょうか?

それがあるかどうかが「個人の可能性」がメガトレンドであるかどうかにつながってきます。

ヒントとなりそうなのは、1)千人の忠実なファン→百人の忠実なファン、2)応援購入です。

千人の忠実なファン(改訂版)(著:ケヴィン・ケリー)によれば、千人の忠実なファンとの直接のつながりを目指すことが重要であり、また、忠実なファンは、直接の収入源であるだけでなく、熱意を通じて、普通のファンを増やすためのマーケティングにも重要な役割を果たすとあります。

最近では、この数字が一桁減って、百人の忠実なファンを持つことがアイデアとして挙げられています。

この数字まで来ると、私たちのような一般の「個人」でも可能性が出てきます。

そして、もう一つは「応援購入」という形です。

マクアケの決算説明資料によれば、趣味嗜好にあった応援購入という消費スタイルをするユーザーが急増しているそうです。

自己表現、アイデンティティを示すものとして、ファッションだけではなくなってきており、その一つの形が「応援購入」なのではないでしょうか?

自分の趣味嗜好にあったブランドを購入する「応援購入」によって、自己を表現するだけでなく、自分と社会とのつながりを示す「帰属意識」をもつことができるとも考えられます。

Amazonはすごく便利だけど、Amazonだけでは帰属意識は得られず、アイデンティティが揺らぐことになります。

だからこそ、Amazonがもたらす価値以外のものが重要になってくるでしょうし、そこに「個人の可能性」があるのではないかと考えられます。