【あちこちオードリー】Creepy Nuts回はものすごくHIP HOP!





2021年2月16日放送の「あちこちオードリー」の「Creepy Nuts」回はものすごくHIP HOP的な回でした。

初武道館の舞台裏の話や成熟したラッパーや漫才師の話。

ラスボス・R-指定とDJ松永、昨今のラップ“バブル”語る 若者へ「努力をしないと化石化する」(2019/8/11、オリコン)で、DJ松永さんは

HIP HOPは、自分たちのリアルを表現するカルチャーなので、どんな要素といえど、その瞬間に感じたことや経験が、すべて作品に反映されるもの

といっていたとおり、ヒップホップはその時の自分たちの今を歌うからこそ、ライブで過去の曲を歌ったときにその時の気持ちがフラッシュバックして、初武道館では泣き続けていたというのは、現時点においても今の気持ちをさらけ出すヒップホップならではだなと感じます。

また、成熟したラッパーの話では、ラップはジャンル自体若い文化(ユースカルチャー)であり、海外のラッパーはずっと居座り続けることに美徳を感じていないと感じている人が多いかもと語り、プロデュースに回る人もいれば、現役でやる人もいるが、登り切った後のロールモデルがいないということを素直に伝えます。

そして、若林さんは過去の漫才と今の自分の漫才の違いへの戸惑いを伝えています。

「昔の漫才を見るとテンポが速い。だけど速くやろうって気持ちは起きない。若手っぽくやっちゃうと痛く見えるのかなと思って、すっごい戸惑ってる。速くするとやっぱり変。気持ちがないから。」

この「戸惑い」を伝えるというのは今までなかったことだと思います。

その戸惑いを伝えられるというのはありのままの今の自分を表現するヒップホップならではではないかと感じます。

実にこの回はありのままの今の自分を表現して、決して完璧ではない悩んでいる今を伝えているんですよね。

きっとこうした思いは早く成功した人やちょっと今までと同じ仕事のやり方ではできなくなってきたという40代に刺さると思うんですよね。

でもその気持ちは周りには伝えないのがこれまでの美徳だったように思います。

しかし、悩んでいる自分こそを表現するのがヒップホップ的だと思うんですよね。

だからこそ、人間味を感じますし、共感もする人が増える。

今はそういう時代になってきたんじゃないかなと思うんです。