なぜPinterestで「セルフラブ」の検索が急上昇しているのか?

なぜPinterestで「セルフラブ」の検索が急上昇しているのか?/宇多田ヒカルの『PINK BLOOD』の歌詞も「セルフラブ」のメッセージ/大坂なおみ選手はメンタルヘルスの話題をオープンに




なぜPinterestで「セルフラブ」の検索が急上昇しているのか?
なぜPinterestで「セルフラブ」の検索が急上昇しているのか?

マルコス パウロ プラド|unsplash

PINTERESTのトレンド予測から考える2021年の新しいライフスタイルとは?2021年は「生まれ変わる」年によれば、ユーザーはPinterestを過去を振り返るためのものとして利用するのではなく、これからの計画を立てるために利用しているため、未来のトレンドを予測するツールとしても活用できるのですが、そのPinterestでは「セルフラブ」への検索が増加しているそうです。

なぜ自分自身を愛する方法や自分を受け入れる方法を検索する人が増えているのでしょうか?

一つには、Z世代といわれる若者世代では銃乱射事件や人種差別問題、不景気による雇用状況の悪化、環境問題、新型コロナウイルスといった数々の問題があらわれて、それに対する精神的な影響があること、もう一つは、Z世代ではメンタルヘルスの話題に対してオープンになっていることがあり、メンタルヘルスの問題を解決する方法として「セルフラブ」に対するアイデアを検索する人が増えていると考えられます。

大坂なおみ選手が「うつ」について告白したのも、メンタルヘルスの不調を理由にオリンピック決勝を棄権したシモーネ・バイルズ選手が記者会見でコメントしたことも「メンタルヘルス」についてオープンになってきている兆しでしょうね。

メンタルヘルスに対してオープンになっている兆候は、音楽のトレンドにも現れています。

上の世代から「Z世代は~」という誤解を受けていること、そんな固定観念を払しょくしたいこと、様々な社会問題に対する怒りや悲しさへの葛藤、目の前にある多くの問題から逃げ出してしまいたいという現実逃避の気持ち、そうしたことを表現する歌を歌うアーティストが人気になっているのです。

宇多田ヒカルさんの最新曲『PINK BLOOD』の歌詞も「セルフラブ」(自分を愛する方法)のメッセージになっています。

若者たちは一生に一度しか経験できないイベントが失われたことから、自身の成長が失われているのではないかという不安があるのだと思います。

また、新型コロナ禍ではデジタルでつながることはできても(それも過剰に)、リアルでのつながりを極力避けることが求められています。

それまで外に出て発散できていた若者も家にいる時間が長くなり、不安を抱えたまま夜を過ごしたことによって、新型コロナ禍以前なら外へ向かっていたものが自分の心の内面に向かう機会が多くなっているのではないでしょうか?

そのために「セルフラブ」のアイデアを求める人が増えているのだと思うのです。







P.S.

新型コロナ禍でZ世代が好意的な反応を示したのは、ブランドが消費者に対して地元の企業を応援することや何かを購入すると医療従事者向けに一つ寄付する「ペイフォワード」を促すことだったそうです。

「つながり」を渇望しているようにも見えます。