50過ぎたら透明化現象を感じたことはありますか?「若さ」はそれだけで素晴らしいものであり価値であるということ

50過ぎたら透明化現象を感じたことはありますか?「若さ」はそれだけで素晴らしいものであり価値であるということ





50過ぎたら透明化現象を感じたことはありますか?「若さ」はそれだけで素晴らしいものであり価値であるということ
50過ぎたら透明化現象を感じたことはありますか?「若さ」はそれだけで素晴らしいものであり価値であるということ

Zulmaury Saavedra|unsplash

元スーパーモデルでさえ避けられない「50過ぎたら透明化現象」には考えさせられます。

改めて「若さ」はそれだけで素晴らしいものであり、価値であるということ。

場合によっては、その人自身ではなく「若さ」を見ているということもあるのです。

世阿弥の「風姿花伝」では、若い生命が持つ鮮やかで魅力的な花のことを「時分の花」といいますが、このことをわかりやすく言うと、若さにはそれだけで価値があるということだと思います。

花とは輝きのことで、人にとって珍しく新しいものであるからこそ、面白いと感じます。
つまり、「花」と「おもしろい」と「珍しさ」は同じことなのです。
(ちなみに、老骨に残りし花の話もあるので若さだけが価値ではないということも付け加えておきます。)

「影響力の武器」では、手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる「希少性の原理」が紹介されています。そして、希少性が高ければ高いほど、価値が高いと判断されやすいのです。若さは必ず失われていくもの。だからこそ価値が高いのです。

人によっては自分の価値だと思っていたものが実は「若さ」で、また自身の自信の源が「他者評価」だった場合、若さが失われていくにつれて、自信をなくしていくこともあるでしょう。

ただそこは考え方をアップレベルすることによって見え方が変わってきます。

「老い」|年齢との向き合い方を世阿弥の人生論から考える!

年をとることはネガティブなことだと捉えがちですが、実は年を重ねること=Aging(エイジング)をポジティブにとらえることができるものがあります。

それは「発酵食品」です。

「老い」は他者との再会を繰り返すこと──伊藤亜紗、ドミニク・チェン、橋田朋子による“aging”をめぐる対話(2019/1/15、unleash)で紹介されている発酵デザイナーの小倉ヒラクさんによれば、ぬか床にも守・破・離とでも呼べるような異なるフェーズの推移があり、良い菌が優勢になったり、悪い菌が増えたり、再び良い菌が集まることで、多様な菌が安定化することにより、よいぬか床になるそうです。

時間が蓄積されたからこそ生まれる価値があるということですね。

、確かに、目が見えにくくなったり、疲れがとれにくくなったり、モノを忘れることが多くなったり、体力がなくなったり、肩が上がりにくいなど体が自由に動かなくなったり、年をとりたくないなーと思う瞬間はあるものです。

しかし、年を重ねたからこそ見えてくるもの、できることもあるはずです。

世阿弥の『花鏡』にはこのような言葉があります。

命には終わりあり、能には果てあるべからず。

言葉の通り、命には終わりはあるが、能には終わりはないという意味で、老いてこそ得られる芸があるということです。

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『NHK「100分DE名著」世阿弥 風姿花伝』の解説によれば、世阿弥の人生論は、若年の若さの力から、中年の意思によって選択する世界に入り、老年の自由の境地へと進みます。

若い時には「やってはいけない」と思っていたことがあっても、やっていいとされてきたことに少し混ぜることにより、観客にとっては珍しいもの、面白いものになるというのです。

人生100年時代を迎える私たちは世阿弥が考える「老いてのちの初心」という気持ちを持って、老いたからこそ咲かせる花もあるでしょうし、またすべてがなくなった後に残った一輪の花こそが今までの生きてきた証ともいえるのではないでしょうか?

亡父にて候ひし者は、五十二と申しし五月十九日に死去せしが、その月の四日の日、駿河の国浅間の御前にて法楽仕る。 その日の申楽ことに花やかにて、見物の上下、一同に褒美せしなり。およそ、その頃、物数をば初心に譲りて、やすきところを少なすくなと、色へてせしかども、花はいや増しに見えしなり。これまことに得たりし花なるがゆゑに、能は、枝葉も少なく、老木になるまで、花は散らで残りしなり。これ、眼のあたり、 老骨に残りし花の証拠なり。

老いることは自由になることという考え方になると人生100年時代もワクワクしてきませんか?







P.S.

若さに関するいろんな視点を紹介してみたいと思います。

●人によっては、「若いのに凄いね」と言われてムッとする人もいるでしょう。
「自分のことを若さではなく能力で評価してほしい」と。
褒めた人は決して怒らせたくて言っているわけではなく、自分の若い頃と比べて、すごく能力が高いことを指していて、無意識のうちに「若いのに凄いね」という言葉を使ってしまうことがあります。

●仮に同じ能力を持っている2人の選手がいるとしたら、若者とそうでない人とどっちを選びますか?と言われた時の判断材料の一つとして「若さ」を選択するチームもあれば、ベテランとしての「経験」を選択するチームもあります。

●イチロー引退会見では、「辛いことしんどいことから逃げたいと思うのは当然なんですけど、エネルギーがある元気なときにそれに立ち向かっていくのは人として重要なのではないか」という言葉がありましたが、若さとはエネルギーであり、つらい時に立ち向かっていく時の支えになってくれるはずです。

●”『若さ』を自覚してこそ、初めて苦しみに耐え抜く勇気も、明日への活力も湧いてくる。
だから私は若い人たちにまず『若さ』の価値を知るべきだと声を大にしていいたい。”(本田宗一郎)