デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」

デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」/紙の教科書よりもデジタル教科書の方が頭、首・肩、手に疲れを感じた児童の割合は少ない





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デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」
デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」

TonyTran|unsplash

デジタル教科書使った授業、中学生ら4割で「目の疲れ」…「昼間に眠く感じる」も4割(2022/6/22、読売新聞)で紹介されている文部科学省が2021年度、全国の4割の小中学校で行ったデジタル教科書の実証事業の結果によれば、デジタル教科書や学習用端末を使った授業の後、目や首、肩に疲れや痛みを感じたのは、小学校低学年で2割以上、「目の疲れ」は3割近くに上り、中高学年と中学生では4割前後が疲れや痛みを訴えたそうです。

でもこの調査の難しい所は、スマホやタブレット、PCなどのデジタル画面を勉強以外の所でもたくさん使っているため、目の疲れや首・肩の疲れ、痛みがデジタル教科書や学習用端末によるものと断定できない所ですよね。

新しい生活様式下で身体や体調に変化を感じている人が26.5%!ストレスを感じている人は5割超!「疲労感や倦怠感」「目の疲れ」「体重の増加」によれば、新しい生活様式下で体や体調に変化を感じていると答えた人が感じた体調の変化トップは「疲労感や倦怠感」(58.5%)、2位は「目の疲れ」(47.2%)、3位は「体重の増加」(43.5%)で、以前と比較しストレスを感じている人は約5割超えています。

新しい生活様式化自体が「目の疲れ」を起こしやすい環境であるとも考えられます。

なぜスマホ老眼になると目が疲れるのか?その原因|スマホ老眼の症状によれば、スマホの画面など近くを長時間見続けたりすると、水晶体(カメラのレンズにあたり、厚くなったり薄くなったりしてピントを合わせる機能がある)や毛様体(水晶体の周囲を取り囲んでいる組織で、水晶体の厚みを調節している)の筋肉に緊張状態が続くため、ピント調節機能が低下し、目のかすみが起こります。

本来であれば、子どもの教育に取り入れてほしいものは?1位「プログラミング教育」2位「アダプティブラーニング」3位「デジタル教科書」によれば、デジタル教科書には文字の拡大や色の変更、音声読み上げといった機能を加えられるため、学習障害や視覚障害などがある子供が学びやすくなる効果が見込まれるために導入されているはずなのですが、結果として子供が学習する際の負担になっているということは、まだデジタル教科書に最適化されたコンテンツが出来上がっていないのではないでしょうか?

例えば、文章問題において教科書に書かれた問題文をスクロールして何度も読み返すのは大変であるならば、デジタルの特性を活かして重要そうなところをマークし、何度も読み返さなくてもいいようにする。

YouTubeやゲームをしていて目が疲れた、肩が凝ると思っても、楽しいからそれを訴えることはほとんどないはずで、つまり楽しければそれを負担と感じることは少ないわけです。

ですから、紙の教科書をそのままデジタル教科書に移植するのではなく、デジタル教科書の特性を活かした楽しめる教科書作りをすることが大事なのだと思います。

【追記】

と新聞記事を読んだ段階では思っていましたが、実際の文部科学省の調査結果を読んでみると、実はその意味が違うことがわかったんです!

デジタル教科書の健康への影響
デジタル教科書の健康への影響

令和2年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」の成果について

紙の教科書での実証期間後、デジタル教科書の実証期間中、デジタル教科書の実証期間後の全3回※1で、健康面への影響の実感について、児童に対してアンケートを実施。
「紙の教科書」よりも「デジタル教科書①」の方が、頭、首・肩、手に疲れを感じた児童の割合は少なかった。
一方、 「紙の教科書」よりも「デジタル教科書②」の方が、目の乾きを感じた児童の割合が多かった。
すべての健康面に関する項目において、姿勢がよいと感じている児童、紙面・画面と目の距離を30cm以上離せたと感じている児童の方が、健康面への影響を感じにくい傾向が見られた。

こちらの文部科学省の調査によれば、紙の教科書よりもデジタル教科書の方が頭、首・肩、手に疲れを感じた児童の割合は少なかったという結果になっています。

新聞に書かれたものをそのまま信じるとデジタル教科書は子供の健康に負担をかけていると感じますが、実際の調査を参考にすると紙の教科書よりも負担が少ないということですよね。

■まとめ

20-20-20ルール|目の疲れから守る方法や座り過ぎを防ぐ方法によれば、米テキサス大学サウスウェスタン・メディカルセンターのEdward Mendelson医師が発案したのが、「20-20-20-20」という眼精疲労回復エクササイズは、20分おきに20フィート(約6メートル)離れたところを20秒間見つめながら、20回連続で瞬きをするという方法です。

目の疲れを予防するために定期的に離れたところを見つめながらまばたきするという習慣を授業の中で取り入れるとよいのではないでしょうか?

→ 目の疲れを取る方法(ツボ・マッサージ)|目が疲れる原因 について詳しくはこちら