Ver.1.0 現在開発に成功している「完全栄養食」
Ver.2.0 「メタボリックドミノ(肥満がきっかけとなり、さまざまな病気の連鎖がおこる)」を食い止める
Ver.3.0 分子栄養学の見地から「完全栄養食」を進化させ、個々人の体調や生活リズムに応じた栄養バランスをパーソナライズ化した提案を可能とする
【「おいしい完全栄養食」のタッチポイント】
1)定期宅配便(D2C)での展開
アプリを活用し未病改善のインテンシブプログラム等を展開
2)社員食堂・レストランにおける「完全栄養食」のサービス
健康経営が注目されている
3)シニアの健康寿命延伸サポートプログラムの開発
4)小売販売、コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストア等でパッケージフードとして、もしくは日配品の弁当等の完全栄養食化を進めていく
5)スマートシティ構想
「完全栄養食」を摂取するだけではなく、「Well-being」を加速させるあらゆるテクノロジーが詰め込まれた、街ごとデザインするスマートシティプロジェクトも今後の可能性として考えている
(1) Woven Cityにおける「完全栄養食メニュー」の提供を通じた、住民の食の選択肢拡充と健康増進の共同実証
(2) 一人ひとりに最適な「完全栄養食メニュー」の提供に向けたデータ連携
【参考リンク】
- 日清食品とトヨタ、Woven Cityにおける食を通じたWell-Beingの実現に向けた具体的な検討を開始(2024/4/26、日清食品)
■個人の選択から社会全体で支え合う仕組みづくり
日清の「完全栄養食」のロードマップを見ると、健康に対して、個人の選択から社会全体で支え合う仕組みづくりへと動いているのがわかります。
タッチポイントを見てみると、1)D2Cで個人との直接のつながり、2)健康経営を意識している企業と共に社員食堂・レストランでのつながり、3)高齢者とのつながり、4)これまでの販路先でのつながり、5)将来的には街全体で住民の食を通じた健康増進/データを活用した一人一人に最適な食の提案、というように様々な場所でつながろうとしています。
「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルでは興味深い二つの事例があります。
1)イギリスの事例
イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。
2)足立区の事例
東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。
足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。
この2つに共通するのは、健康を個人に任せるのではなく、企業・社会が率先して健康に取り組むことにより、個人が自然と生活するだけで健康になれる社会を目指すという取り組みです。
「カップヌードル」がレシピを変更し、塩分を2020年までに15%減らす取り組み|なぜ減塩に取り組み始めたのか?|日清食品で紹介した日清食品の取り組みもこの一環でしょう。
日清は個人、社員食堂、レストラン、高齢者、これまでの販路、将来的には街全体というようにタッチポイントを増やして、直接的・間接的に健康増進をしていこうとしているのではないでしょうか?
■未病への取り組み
また、病気に対しても、病気になってからの治療ではなく、健康から病気になる前の「未病」の段階でどう食い止めていくかを意識しているのがわかります。
参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット
経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、生活習慣病の重症化予防に当たっては、個人の健康・医療データに基づく個別化されたサービスの確立が期待されています。
日清の完全栄養食のロードマップを見ると、パーソナルヘルスレコード(PHR)の獲得→食とPHRのプラットフォーム化/食のパーソナライズ化を目指しています。
これからマイナンバーカード(マイナ保険証)を通じてPHRができていけば、個人の健康・医療データに基づいた個人個人に最適化された食の提供ができるようになっていくことが期待されます。
マイナンバーが活用され、健康・医療・介護のPHR(Personal Health Record)の基盤になれば、子ども時代に受ける健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みの構築や特定健診データや薬剤情報等の経年データの閲覧が可能になる。https://t.co/4DcNl0IC0bhttps://t.co/vf0fokKjIj pic.twitter.com/o6Xcw4pZLe
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) June 23, 2020
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