2月4日はWorld Cancer Day!大腸がんの早期発見をサポートする「AI内視鏡」とは?




食の欧米化で大腸がん患者数が1位に 医師の見逃し防ぐ「AI内視鏡」で発見率アップ!保険適用になったばかりの最新技術【しってる?】(2025年2月4日、FNN)では、2月4日はがんについて考えようという1日「World Cancer Day」ということで、日本国内で最も患者が多い大腸がんを検査する新しい技術「AI内視鏡」について取り上げています。

大腸ポリープ・大腸がんの早期発見率98%!AIを活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステム|国立がん研究センター・NECでは以前大腸ポリープ・大腸がんの早期発見を助ける、AIを活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステムを紹介しました。

大腸の場合、通常“がん”は前がん病変であるポリープから発生することが明らかとなっており、人間ドックや大腸がん検診で発見された場合は、積極的に内視鏡的摘除が行われています。実際に米国では、1993年に報告されたNational Polyp Studyと2012年に報告されたそのコホート研究の結果から、大腸腺腫性ポリープを内視鏡的に摘除することが大腸がんの罹患率を76%~90%抑制し、死亡率を53%抑制したことが明らかにされています。

大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因であると考えられています。

大腸がんのリスクファクター|国立がん研究センターによれば、ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高くなり、また、ポリープの出来やすい人は大腸がんになるリスクが高いことから、大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチといえます。

つまり、大腸がんの予防には、いかにして内視鏡検査時に前がん病変であるポリープの段階で見つけ摘除することが重要なのですが、医師による見逃しの例があるという報告があります。

従って、このポリープを内視鏡検査時に見逃さないことが重要ですが、肉眼での認識が困難な病変や発生部位、医師の技術格差により24%が見逃されているという報告もあります。また別の報告では、大腸内視鏡検査を受けていたにもかかわらず、後に大腸がんに至るケースが約6%あり、その原因は内視鏡検査時の見逃し(58%)、来院しない(20%)、新規発生(13%)、不十分な内視鏡治療による遺残(9%)が挙げられています。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、視神経の変形を肉眼で判定し、緑内障の分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっているのと同様に、肉眼では見つけにくいために見逃しが起こるだけでなく、大腸がん内視鏡検査を行う医師の技術が不足しているために見逃していたと考えられるということがあったそうです。

大腸内視鏡検査に今回開発したシステムが活用されるようになれば、従来は肉眼では認識することが困難であった前がん病変であるポリープや大腸がんを発見することができるようになることや経験の浅い内視鏡検査医でも経験豊富な医師と同様の結果を出すことが期待されます。

→ 大腸ポリープ手術までの経緯・手術内容・大腸ポリープ切除後の食事|大腸ポリープ手術を受けた患者さんにインタビュー について詳しくはこちら

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■まとめ

ニュースの中では、大腸がんは、年々、患者や亡くなる人が増えていて、その背景には食生活の欧米化などがあると紹介しました。

大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人!初期の段階では症状がほぼ現れない大腸がんを予防する方法とは?で紹介した厚生労働省の公開したデータによれば大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人で、今後も増加が予想されます。

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?によれば、世界の多くの国と地域で50歳未満の若い人の大腸がんの発生率が高まっており、また2023年3月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によれば、1990年代以降は多くの国で、50歳未満での大腸がんの発生率が毎年2~4%ずつ増えており、30歳未満ではより顕著であり、2023年3月に医学誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に発表した論文でも、米国で55歳未満で診断された人の割合が1995年の11%から現在は20%まで増加しており、大腸がんはもはや高齢者の病気ではないといえます。

このことから、大腸がんを予防するためには、検診の推奨年齢を下げることが大事になってきます。

また、大腸がんのリスク要因には、家族歴があり、遺伝的要因も大きいので、家族に大腸がんの人がいる場合には早めに健診を受けることが望ましいと考えられます。

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