英国バイオバンクのデータを活用したある研究によれば、果物の摂取量が多い人は大腸がんのリスクが21%低下することが分かったそうです。
【参考リンク】
- Hoang, T., Cho, S., Choi, JY. et al. Genetically predicted dietary intake and risks of colorectal cancer: a Mendelian randomisation study. BMC Cancer 24, 1153 (2024). https://doi.org/10.1186/s12885-024-12923-1
果物は健康に良い食材だと思っている方も多いと思いますが、大腸がんリスクを下げる食品としてはあまり紹介されたことがありません。
野菜・果物とがん:食物繊維とβ-カロテンで紹介した最近の研究によると、食物繊維による大腸がんの予防効果は認められていないようです。
しかし、食物繊維の摂取量が極端に少ないと、リスクが上昇するという結果は出ているそうです。
そのため、大腸がん予防のためには、食物繊維の量はある程度摂れば十分であり、多く摂ってもその予防効果は変わらない可能性が高いようです。
また、野菜・果物摂取と大腸がんとの関係について(国立がん研究センター)によれば、野菜・果物をたくさん食べても大腸がんリスクは変わらないと紹介されています。
ただだからと言って野菜や果物に大腸がん予防効果がないとは言い切れず、世界保健機構(WHO)と食糧農業機関(FAO)合同での2003年の報告では、野菜・果物にはわずかながら予防効果があるとし、また、国際がん研究所(IARC)の同じ2003年の報告では、これまでの疫学研究・動物実験などを参考にすると、野菜摂取はおそらく予防的、果物摂取も予防の可能性はあると評価されているそうです。
今回紹介した研究を参考にするならば、果物の摂取量が多い人は大腸がんのリスクが21%低下するというわけですから、これまでの研究結果とは違った結果が出たことになります。
先日nature誌で紹介された大腸がんの発症リスクを下げる食品・栄養素とは?の中でも果物は大腸がんの発症リスクを下げる食品の一つとして紹介されていましたので、大腸がん予防のためには果物を摂らないよりも摂った方がいいということが言えるのではないでしょうか?
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