食品添加物は、食品の味、食感、保存期間、外観を向上させるために広く使用されていますが、通常、安全性評価は個々の添加物ごとに行われてきました。
しかし、実際には複数の添加物が同時に摂取されるため、混合物としての影響が懸念されています。
特に、添加物間の相互作用(相乗作用や拮抗作用)が健康に及ぼす影響についてのデータは不足しています。
今回の研究では、フランスのNutriNet-Santéコホート(108,643人)を対象に、一般的な食品添加物の混合物を特定し、それらが2型糖尿病の発症リスクとどのように関連するかを調査したところ、2つの食品添加物混合物が、2型糖尿病リスクの上昇と関連していることが判明しました。
●混合物1(加工デンプン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン、ポリリン酸塩、ソルビン酸カリウム、クルクミン、キサンタンガム): 混合物スコアが1標準偏差(SD)増加するごとに、2型糖尿病リスクが8%上昇(ハザード比[HR]=1.08、p=0.006)。
●混合物2(クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、亜硫酸アンモニアカラメル、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、アラビアガム、リンゴ酸、カルナバワックス、パプリカ抽出物、アントシアニン、グアーガム、ペクチン): 混合物スコアが1SD増加するごとに、2型糖尿病リスクが13%上昇(HR=1.13、p<0.001)。 つまり、今回の研究によれば、特定の添加物混合物(例:乳化剤や人工甘味料を含むもの)が、糖尿病リスクを高める可能性があることがわかりました。 → 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら
【参考リンク】
- Payen de la Garanderie M, Hasenbohler A, Dechamp N, Javaux G, Szabo de Edelenyi F, Agaësse C, et al. (2025) Food additive mixtures and type 2 diabetes incidence: Results from the NutriNet-Santé prospective cohort. PLoS Med 22(4): e1004570. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1004570
■まとめ
今回の研究のポイントは、個々の食品添加物に健康上の問題がなくても、食品添加物の組み合わせで、相互作用があり、2型糖尿病のリスクを上げる可能性があることを示した点です。