和洋女子大の鈴木敏和教授らの研究によれば、魚介類を食べた量とうつ病リスクには逆相関がみられ、不定愁訴(病気の原因を特定できないが、身体の不調を感じる状態。精神的な疾患に隠れている場合もある)の発生に魚介類摂取量が関係していることを示唆する結果が出たそうです。
不定愁訴、うつ病、またはその両方のスコアが高い参加者は、スコアが低い参加者と比較して、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、ビタミンD、ビタミンB12の摂取量が低く、魚介類の摂取量も少ないことが分かりました。
注目すべきは、不明瞭な愁訴とうつ病の両方のスコアが高いグループの魚介類摂取量は、スコアが低いグループの1/4だったことです。
【参考リンク】
- Suzuki, T.; Yoshizawa, Y.; Takano, S. Extent of Unidentified Complaints and Depression Is Inversely Associated with Fish and Shellfish Intake in Young Japanese Women. Nutrients 2025, 17, 1252. https://doi.org/10.3390/nu17071252
■まとめ
魚介類を多く食べる人はうつ病の発症率が低くなる傾向|オメガ3(EPA・DHA)が多いと発症率が低くなる|国立がん研究センター・慶応義塾大学で紹介した国立がん研究センターと慶応義塾大学のチームが「トランスレーショナル・サイカイアトリー」に発表した疫学調査によれば、魚介類を多く食べるグループは、そうでないグループに比べてうつ病の発症率が低くなる傾向にあることがわかっています。
今回の研究で注目するポイントは不定愁訴の発生も魚介類摂取量と関係することが示唆されたこと。
オメガ3に含まれるEPA・DHAが多いとうつ病の発症率が低くなる傾向にあることから、魚介類を積極的に食べることがうつ病や不定愁訴予防につながることが期待されます。

参考画像:水産物の消費動向|水産庁(スクリーンショット)
オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?で紹介した麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3は青魚などの魚から摂るのが一番効率よいそうですが、水産庁による国民一人当たりの魚介類と肉類の摂取量推移によれば、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回り、21年には肉類と魚介類の摂取量が上回り、その差が拡大しているそうです。
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