2025年7月8日放送のNHK「あさイチ」のテーマは「たんぱく質」。
そこで紹介されていたのが、「ゆで卵と生卵ではどちらの方がたんぱく質の吸収率が高いの?」というクイズ。
答えは「ゆで卵」!
生卵のタンパク質吸収率は約50%なのに対し、ゆで卵は90%以上なのだそうです。
加熱することによりタンパク質の構造が変化し、消化酵素が分解しやすくなるため、より効率的に体内に吸収されるためなのだそうです。
そこで、論文を調べてみました。
Evenepoel P, Geypens B, Luypaerts A, Hiele M, Ghoos Y, Rutgeerts P. Digestibility of cooked and raw egg protein in humans as assessed by stable isotope techniques. J Nutr. 1998 Oct;128(10):1716-22. doi: 10.1093/jn/128.10.1716. PMID: 9772141.
加熱した卵のタンパク質消化率は約90.9% ± 0.8%であったのに対し、生卵のタンパク質消化率は約51.3% ± 9.8%であったと報告されています。
この研究は、加熱によりタンパク質の構造が変性し、消化酵素の作用を受けやすくなることを示しています。
加熱によりオボムコイド(消化酵素阻害因子)が不活性化され、消化吸収が向上することが確認されています。
ちなみに、追跡研究では、過度な加熱がタンパク質の変性を過剰に進行させ、消化酵素の作用を若干妨げる可能性があるため、半熟卵は固ゆで卵よりも消化速度が速く、吸収効率がやや高い(約94%)ことが示唆されています。