2025年12月24日放送のNHK「あさイチ」のテーマは「脂肪肝」。
■脂肪肝とは?
肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まった脂肪肝は、糖尿病や動脈硬化を始めとするさまざまな生活習慣病を引き起こす恐れがあります。
【補足】
40代以降の女性に肝臓の病気は要注意です。
女性がなぜ肝臓に注意が必要かというのは2つあります。
一つは、女性は男性よりも体も肝臓も小さいことから、血中アルコール濃度は男性よりも女性のほうが高くなりやすいということです。
もう一つは、女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える作用があるのですが、40歳以上は女性ホルモンが減少する傾向にあるため、それまで大丈夫だった人も肝臓に負担がかかりやすくなっていることです。
→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 についてはこちら
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■脂肪肝で気を付けたいこととは?
●糖質
脂肪肝の主な原因はアルコールじゃない!?脂肪肝の主な原因とは?
糖質は肝臓で体のエネルギー源である中性脂肪に合成されるので、適量の摂取は必要ですが、食べすぎは脂肪肝になってしまいます。
お菓子などの甘いものはもちろん、お米やパンなど炭水化物の食べすぎも注意が必要です。
脂肪肝になると突然死のリスクは35.8倍!?脂肪肝対策(鮭フレーク・卵かけごはん)|#林修の今でしょ講座によれば、ダイエット期間中にたんぱく質を避けて、果物を選ぶという人もいると思いますが、フルーツの果糖は脂肪肝の脂となってたまりやすいそうです。
■最も注意すべきは「果糖ブドウ糖液糖」
最も注意すべきは「果糖ブドウ糖液糖」です。加工食品の6割に使われている甘味料で、コーラなどの清涼飲料やスポーツドリンク、菓子パン、スナック、アイス、カップ麺、さらにはケチャップやドレッシング、麺つゆにも含まれています。
果糖のとりすぎは中性脂肪の増加につながる!?から果糖の特徴をまとめてみたいと思います。
- 砂糖とは、「ぶどう糖」と「果糖」が結合したもの
- 果糖はぶどう糖より2倍以上も甘い
- 果糖は、少量でも十分甘みを感じられる低カロリーの甘味料として、清涼飲料水や菓子類などによく使われている
- 果糖には、摂取すると肝臓に取り込まれ、その一部が中性脂肪に変わる性質がある
- 果糖は、満腹感を感じにくいという特徴があるため、とりすぎてしまいがち
つまり、果糖の一部は中性脂肪に変わる性質があるものの、果糖には満腹感を感じにくいという特徴があるため、とりすぎてしまいがちなんですね。
果糖の取り過ぎで脂肪肝など生活習慣病にもで紹介した京都大大学院医学研究科の仲川孝彦・特定准教授らとスペインの大学との共同研究によれば、成人男性に1日200グラムの果糖を摂取してもらったところ、血圧の上昇・中性脂肪の増加・インスリン抵抗性といったメタボリックシンドロームの兆候が現れたそうです。
また、ラットに果糖を多く含む食事を10週間与えたところ、高血圧や脂質異常、高尿酸血症が多くなり、別のラットの実験によれば、果糖は腎臓機能にも影響を与えてしまうそうです。
つまり、果糖の過剰摂取は、肝臓で余った果糖が脂肪となって蓄積し、脂肪肝につながるだけでなく、糖尿病や高血圧、腎障害にも関係するおそれがあるようです。
「果糖を減らしなさい」というと「果物」という認識になるのは名前に問題がありそう。加糖飲料(砂糖入り・果糖ブドウ糖液糖入り飲料・ジュース)を避けて「果物を食べる」にした方がわかりやすそうですね。https://t.co/YH5MSCzxd0 https://t.co/VZAzlgVCIi
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) December 9, 2025
気を付けないといけないのは「果糖」がよくないというと、「果物」を食べちゃいけないと思ってしまう人がいること。
むしろ気を付けるべきは「加糖飲料(砂糖入り・果糖ブドウ糖液糖入り飲料・ジュース)」!
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●早食い
食べる速度を遅くしたゆっくりした食事&就寝2時間前の食事を避けることで肥満予防|九州大学【論文・エビデンス】
●満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすい|大阪大で紹介した大阪大の磯博康さんの研究チームによれば、満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすいそうです。
つまり、この研究は、食事の量や内容だけでなく、食べる早さが肥満になる要因になる可能性があることを示しています。
●早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍|岡山大が学生追跡調査で紹介した岡山大学の調査によれば、肥満でなかった人も、早食いを続けるうちに肥満になっていくということが確認されたそうで、早食いの人と早食いでない人を比較すると、早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍もあるそうです。
●早食いで満腹になるまで食べる習慣がある人は過体重リスクが3倍にで「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に掲載された研究によれば、早食いで満腹になるまで食べる習慣のある人では、過体重(overweight)になる率がそうでない人に比べて3倍高いことがわかったそうです。
●<香川県>糖尿病による死亡者数ワースト3位|炭水化物(うどん)の重ね食べ・早食いなど県民の食習慣が原因?で紹介した#血糖値スパイク #グルコーススパイク が危ない!~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~|#NHKスペシャルによれば、糖分が「大量に」かつ「いっぺんに」体内に吸収されると、“血糖値スパイク(ジェットコースターのように血糖値が急上昇及び急降下すること)”が起きやすくなってしまいますが、うどんで副菜をとらない食習慣の場合、うどんという炭水化物を大量にいっぺんにかきこむ食べ方をすると、急激に食後の血糖値が上昇してしまいます。
●水を飲む
脂肪肝専門外来でひそかに教えている#健康になる水の飲み方
ペットボトル500mLを
一気に飲んでいませんか?
1回に100-150mLずつ飲むようにしましょう
スマート外来では
朝 200mL以上
午前中 500mL以上
午後 500mL以上 (食事の飲水を含む)
空腹時… pic.twitter.com/jquhU2BSV1— 尾形 哲 肝臓先生『肝臓から脂肪を落とす』 (@ogatas0520) December 23, 2025
脂肪肝の人は水を飲まない傾向があるそうです。
なぜ脂肪肝の人が水を飲んだ方がいいの?
体の水分が少なく血液がドロドロになると、肝臓は脂肪を溜めやすくなるから。
1日1.5リットルを目安に、1回に100mlから150mlずつ飲むようにしましょう。
■マイオカインドバドバ体操
【トリセツショー】肝臓のトリセツ/脂肪肝になると病気になるリスクが高くなる!/ALT(エーエルティー)の数値をチェック/肝臓エクササイズ(ヘパトサイズ)のカギはマイオカイン!?や【ガッテン】100キロカロリーカードを活用した1日50gダイエットのやり方!肝臓の脂肪から分泌される「ヘパトカイン」がメタボの原因になる!によれば、肝臓につく脂肪は「つきやすく落ちやすい」という性質があり、わずかな減量をするだけでも肝臓につく脂肪が落ちてしまうそうです。
マイオカイン(運動すると分泌されるホルモン)を効率よく出すには、太ももやお尻、ふくらはぎなど大きい筋肉を鍛える筋トレをするといいです。
マイオカイン(血糖値を下げるホルモン)で糖尿病・脂肪肝を予防!簡単マイオカイン分泌法|#たけしの家庭の医学によれば、マイオカインというホルモンを分泌→肝臓の脂肪を分解し脂肪肝の改善ができるそうです。
また、筋トレと有酸素運動を組み合わせることによって通常よりも多くのマイオカインの分泌が期待できるそうです。
●ふくらはぎ(イスの背もたれなどを持って、かかとの上げ下げを10回)
●背中の筋肉(タオルを頭の上に持って、左右に引っ張り、首の後ろに下ろすを10回)
●太もも(スクワット)
【補足】
脂肪肝と診断されたら――
まず減らすべきは、この5つ。① 体重:3か月で7%減をめざせ。脂肪はまず肝臓から落ちる
② 加糖飲料:やめた瞬間から肝臓がよろこぶ。無糖・無甘味に
③ アルコール:「百薬の長」は幻想。脂肪肝には毒
④…— 尾形 哲 肝臓先生『肝臓から脂肪を落とす』 (@ogatas0520) December 24, 2025
現在の体重から4%痩せるだけで血糖値が改善する!|なぜわずかな減量で血糖値が下がるのか?|#ためしてガッテン(NHK)によれば、「現在の体重から4%やせるだけで、多くの場合、血糖値が改善する」のです。
肥満の人の多くは脂肪肝(肝臓に脂肪がたまっている状態)になっているため、糖を取り込む能力が落ち、血糖値が上がっているそうです。
しかし、肝臓につく脂肪は「つきやすく落ちやすい」という性質があり、わずかな減量をするだけでも肝臓につく脂肪が落ちてしまうそうです。
肝臓につく脂肪が落ちることで、肝臓の貯蔵タンクが回復し、糖を取り込む能力が戻り、血糖値が下がるそうです。