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■えっ! 20代男性の精子数は、40代の半分になっている!?
by photogramma1(画像:Creative Commons)
1mlあたりの精子の数 40代は8400万個、20代は4600万個
(2011/12/11、NEWSポストセブン)
衝撃のレポートがある。
20代男性の精子数は、40代前後にくらべて半数ほどしかない。
1ミリリットルあたりの平均精子数――40代は8400万個、20代は4600万個という数値が出た。(帝京大学医学部調べ)
日本だけではない。デンマークの医師も40代7800万個、20代4580万個と、日本と変わらない数値を発表している。20年間で、3200万~3800万個の精子が減少したことになる。
帝京大学医学部の調査やデンマークの医師による調査によれば、20代男性の精子は40代の半分という数値が出たそうです。
以前読んだ本(「だから、男と女はすれ違う」)では、次のようなことが書かれていました。
●人間の精子を詳しく調べた結果、正常な人でも85%の精子に異常があると報告(ニューカッスル大学 ジョン・エイトキン)
●世界のカップルの6組に一組が不妊に悩んでいると言われている。その原因の半分は男性にあり、男性の原因の大半は精子の質が問題となっている。
●デンマークでは、すでに生殖補助技術なしには、国民の人口を維持できないという状況に
●人間は乱婚を排除し、一夫一妻を基本としているから精子の質が悪い
●このままいくと、自然な受精は難しくなっていく。男の繁殖力は失われていく。
●ひとたび生殖補助技術に頼るようになると、次の世代にはそれがもっと必要になるのは自明の理
人間の精子に正常な人でも85%の精子に異常にあるという報告や不妊の原因の半分は男性にあり、男性の原因の大半は精子の質が問題となっているなど、男性の精子に問題が起こっているようです。
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今回紹介した記事では、男性の精子に異常または減少している理由として、様々な仮説が考えられているようですが、まだその答えは出ていないようです。
厚労省は「仮説の段階だ」として規制に乗り出してはいないが、学校給食、インスタントラーメンのカップ容器、水道水、さらに広範囲に、若者の食生活から検出される環境ホルモン=内分泌攪乱物質が、不妊や少子化にいたる原因ではないかという学者もいる。
『はらメディカルクリニック』原利夫院長の分析。
「環境ホルモンがいわれ始めた20年ほど前から、精子減少、女性ホルモン化が分かってきました。レイチェル・カーソンが『沈黙の春』でワニのメス化、サカナのメス化は、一部、食品容器に含まれている化学物質による作用かと指摘しました。以来、それが睾丸にある種の害を及ぼして、精子数を減少させているのではないかと。
ほかにも工場排水、電柱の変圧器から漏れ出してくる物質、たばこ、牛を早く出荷させるため、鶏に卵をたくさん産ませるためにエサに混ぜる成長ホルモン剤など、奇形の精子、不妊の問題にまで広がって、なにが精子減少を引き起こしているのか、解答は容易ではないのです」
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このままの状態が続けば、自然な受精は難しくなっていき、生殖補助技術なしには、国民の人口を維持できないということになってしまうかもしれません。
ただ、男性機能低下は亜鉛で防げる?・亜鉛が豊富な牡蠣を食べて元気に!という意見や毎日の性交渉で精子の質改善、妊娠の可能性高める=豪研究者という研究があるようですので、今後の研究に期待したいところです。
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【参考リンク】
- Hagai Levine Niels Jørgensen Anderson Martino-Andrade Jaime Mendiola Dan Weksler-Derri Irina Mindlis Rachel Pinotti Shanna H. Swan. Temporal trends in sperm count: a systematic review and meta-regression analysis. Hum Reprod Update 1-14. DOI:https://doi.org/10.1093/humupd/dmx022