京都大学が行った早期食道がんを内視鏡で切除した後の患者さん330人を、平均10年以上(最長14年9ヶ月)追跡した大規模な長期研究によれば、飲酒と喫煙の両方をやめることで、内視鏡治療後の食道に新たながんが発生するリスクを大幅に低減できることがわかりました。
【参考文献】
- Katada C, Yokoyama T, Yano T et al.
Alcohol consumption, smoking, and the implications of their cessations for field carcinogenesis in the esophagus: a 10-year prospective cohort study
The Lancet Regional Health – Western Pacific, 2026; 67
■背景
食道がん(特に日本人男性に多い扁平上皮がん)は、早期発見なら内視鏡的切除で食道を切らずに治すことができ、また体への負担が少なく、QOL(生活の質)が保つことができます。
しかし、治療後も温存された食道に新たながんが発生しやすいという問題があり、これが予後やQOLを悪くする大きな課題です。
WHOは飲酒と喫煙を食道がんの明確な発がん物質と認定していますが、治療後に禁酒・禁煙を続けた場合の長期効果は、これまでよくわかっていませんでした。
■結果
●飲酒・喫煙をやめた効果
・飲酒をやめた人:新がんリスクが約半分(ハザード比 0.52)で、特に粘膜異常が高度なGrade Cの人では、禁酒の効果がより顕著でした。
・喫煙をやめた人:リスクが約6割減(ハザード比 0.44)
・両方を完全にやめた人:リスクが約5分の1(ハザード比 0.21)と劇的に低下。
・量を減らすだけ(節酒・節煙):統計的に有意な効果なし。「やめる」ことが大事で、「減らす」では不十分。
●禁酒・禁煙の継続は難しい
禁煙は徐々に達成率が上がったが、禁酒の達成率は低く、時間とともにやや減少しました。
禁酒が特に難しいことが示されました。
■まとめ
食道がんの再発リスクを禁酒で抑制できる|食道がんの予防には禁酒・禁煙・緑黄色野菜の摂取|京都大学(2016年)では食道がんの再発リスクが禁酒で抑制できるという研究を紹介しましたが、今回はその研究の10年を超える追跡調査で長期のエビデンスとなるものです。
この研究によれば、禁酒・禁煙をすることが食道がんの再発リスクを減らすこと、飲酒・喫煙の量を減らすだけではん効果がないこと、禁酒・禁煙の難しさということがわかりました。
食道がん治療後の再発リスクを減らすためにも、いかに禁酒・禁煙をする生活にしていくかが大きなカギになりそうです。
また、食道がんの再発リスクを禁酒で抑制できる|食道がんの予防には禁酒・禁煙・緑黄色野菜の摂取|京都大学(2016年)によれば、食道がんの予防には禁酒・禁煙・緑黄色野菜の摂取が重要ですので、食道がんになっていない人にもやはり禁酒・禁煙を薦めていきたいですね。
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