東京大学などの研究によれば、白髪は、DNAが傷ついた色素幹細胞を体が排除した結果であり、実はメラノーマ(皮膚がん)などのガンを防ぐための防御システムである可能性があることが話題になっています。
【参考文献】
- ストレスタイプが決定する老化とがん化の分岐点とその仕組み ――白髪が増えるのはがんを防ぐため? ――
- Mohri Y, Nie J, Morinaga H, Kato T, Aoto T, Yamanashi T, Nanba D, Matsumura H, Kirino S, Kobiyama K, Ishii KJ, Hayashi M, Suzuki T, Namiki T, Seita J, Nishimura EK. Antagonistic stem cell fates under stress govern decisions between hair greying and melanoma. Nat Cell Biol. 2025 Oct;27(10):1647-1659. doi: 10.1038/s41556-025-01769-9. Epub 2025 Oct 6. PMID: 41053225.
この研究を簡単にまとめます。
同じストレス下でも、損傷の種類や周辺環境(nicheのシグナル)によって、幹細胞は老化・排除(白髪)か増殖(がんリスク)」を選んでおり、体は「加齢によるDNA損傷」に対しては白髪化で守ろうとしますが、特定の環境ストレス(発がん物質など)が加わるとその防御が破られ、がん方向に傾いていると考えられます。
これが体を守る仕組みとなって、損傷した幹細胞を使い捨てすることによってがん化を防ぎメラノーマの発生を効果的に抑制してくれているんですね。
この研究を受けて、「白髪はガンから体を守った証」とするニュースが紹介されています。
しかし、ふと思ったのですが、白髪自体ががんを防いでいるというよりも、加齢によるDNAの損傷に対して、体が白髪化で防御しているという結果が出ているのであって、1)黒髪の人が白髪化していない場合は、そもそもDNAの損傷が少ないまたは防御がまだ働いていない、2)白髪が多い人は元々DNA損傷を受けやすい環境・遺伝的背景があったり、生活習慣(紫外線、放射線、酸化ストレスなど)に長くさらされていた可能性が高いのではないでしょうか?
※もちろん今回はマウスの研究でそのまま人間に当てはまるというわけではなく、また白髪と皮膚がんとの関連は複雑です。
そう考えると、白髪が多い人はがんリスクの高い環境にさらされている可能性があると考えてみてもいいのではないでしょうか?
むしろ、白髪が増えたらDNAの損傷の蓄積と捉えて、生活習慣を見直すきっかけにした方がいいのではないでしょうか?
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