口をつけたペットボトル飲料、飲み残しは飲まない方がいい?(2024年3月8日、宇都宮市)
直接口をつけて飲むと、口の中の細菌がペットボトル内に入り込みます。
その後、温度や飲料の成分によっては細菌が増え、品質が落ちたり腐敗したりする可能性があります。
宇都宮市衛生環境試験所では、職員が5種類のペットボトル飲料を半分程度飲み、残りを夏場の室内を想定した30℃で放置し、直後〜48時間後の細菌数を調べました。
■実験結果
【細菌が増えやすかったもの】
〇ミルクコーヒー(最も増えた)
直後:約1,000個/mL → 24時間後:約1,000万個(1万倍)→ 48時間後:3億個以上。
糖分やタンパク質が細菌の栄養になるため急激に増えます。
〇麦茶
24時間後:約9,000個 → 48時間後:3万個超。
大麦由来の炭水化物が栄養になるためです。
【細菌が増えにくかった(むしろ減った)もの】
〇緑茶
直後:約1,700個 → 24時間後:10分の1以下 → 48時間後:約100個。
カテキンに細菌の増殖を抑える作用があるためと考えられます。
〇果汁100%オレンジジュース・スポーツ飲料
直後:約100個程度 → 3時間後にはほぼ0個で、その後も増えませんでした。
pHが約3.5と強い酸性のため、細菌の増殖が抑えられます。
一般的に細菌の多くはpH 4.6未満の酸性では増えにくいとされています。
口の中の普通の細菌がすぐ危険になるわけではありませんが、たくさん増えると味や品質が落ち、開閉を繰り返すうちに食中毒菌などが入り込むリスクも出てきます。
■対策
〇グラスなど別の容器に移して飲む(直接口をつけない)。
〇冷蔵庫で保管する(細菌が増えにくい温度を保つ)。
〇早めに飲み切る。
健康な人で少量ならすぐ食中毒になるわけではないが、品質低下やリスクはあるので注意しましょう。
■関連研究
〇新潟大学の佐藤拓一教授らのグループの研究(口腔細菌の流入と増殖を詳細に調べたもの)
・茶系飲料(無糖):口をつけて飲んだ直後に約1万個/mL程度の口腔細菌が入り、37℃で24時間置くと100倍程度に増える。
主な菌はStreptococcusなど。(例:Journal of Oral Biosciences 関連(Profiling of Microbiota at the Mouth of Bottles and in Remaining Tea…)
・スポーツ飲料・オレンジジュース:直後に千個レベルで入るが、37℃で24時間後にはほとんど検出されなくなる(低pHの影響)。麦茶では増える。
(Kawachi et al., Journal of Oral Biosciences, 2022年頃の報告)
〇食品衛生学雑誌の接種試験(Gotoら, 2020, 食品衛生学雑誌(Shokuhin Eiseigaku Zasshi) 61: 200-205)
開栓後の清涼飲料に各種微生物を接種して増殖を調べた研究。
飲料の種類と菌の組み合わせで増殖パターンが異なり、成分による阻害効果も指摘されています。
■まとめ
飲料の種類によって細菌の増え方は大きく異なります。
ミルクコーヒーや麦茶など栄養分が多く中性〜弱酸性のものは特に注意が必要で、常温放置は避け、冷蔵庫保管や早めの飲み切りを心がけましょう。
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