「全然食べてないのに痩せない!」という方いますよね。
この場合、1)代謝が特別に落ちている、2)実際食べた量(カロリー)を少なく見積もっている、の2つが考えられます。
今回紹介する論文では、その2つのどちらの説明が正しいかを調べた研究です。
■実験
食事抵抗性(例:1日1200kcal未満の食事制限をしているのに体重が減らない)があるグループとないグループに分けて、実際の総エネルギー消費量と摂取量を測定しました。
■結果
〇食事抵抗性グループの総エネルギー消費量・安静時代謝量は予測値の±5%以内で正常だった(低代謝ではなかった)
〇食事抵抗性があるグループの人は実際の食品摂取量を平均で約47%(±16%)過小申告し(自己申告約1028kcal/日に対し、実際は約2081kcal/日程度)、身体活動量を平均で約51%(±75%)過大申告していました。
■まとめ
「低カロリー食を摂っているのに痩せない」という訴えの主な原因は、代謝の異常ではなく、実際の摂取カロリーが申告よりかなり多いことと、運動量を過大評価していることだとわかりました。
【関連記事】
- Lichtman SW, Pisarska K, Berman ER, Pestone M, Dowling H, Offenbacher E, Weisel H, Heshka S, Matthews DE, Heymsfield SB. Discrepancy between self-reported and actual caloric intake and exercise in obese subjects. N Engl J Med. 1992 Dec 31;327(27):1893-8. doi: 10.1056/NEJM199212313272701. PMID: 1454084.
■【補足】【家庭料理の視点から】
女性の8割超が「がんの罹患率」を現実の数字よりも低く予想している!|早期発見のためガン検診を受けよう!【リスク認知のバイアス】によれば、がんに罹患する日本人は何人に1人くらいだと思うか聞いたところ、「2人に1人くらい」と正しい回答をした割合は13.2%と、大多数の人が現実の罹患率よりも低く予想している傾向となっています。
私たちは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もりがち!?|英エコノミスト「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」によれば、人びとは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もっているようです。
つまり、人は健康に対するリスクを低く見積もり、また自身の行う行動に対して過大評価する傾向があるのではないでしょうか?
またダイエットには食べ物より飲み物を見直す方がいい?で紹介したジョンズ・ホプキンス大学などによる研究によれば、食べ物(固形物)によるカロリー摂取よりも飲み物(液体)によるカロリー摂取の方が体重に与える影響は大きいそうです。
私たちは食べ物のカロリーは意識しても飲み物のカロリーに対しては意識が低く、実は飲み物からカロリーを摂取している可能性があります。
今回の研究ではすべての摂取カロリーを調べていると思いますが、実際の私たちの生活では見えていないカロリー摂取があって、それが「食べてないのに痩せない」の原因だったりするかもしれません。
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