藤田ニコルさんの産前産後の体重変化に関連して、気になるポイントが6つあります。
【参考リンク】
- 藤田ニコルさんは妊娠中に18kg体重が増えたそうです。6月時点で8キロは痩せ、あと10キロ痩せる予定とのことです。
https://x.com/0220nicole/status/2063798120916701488 - 2009年に米国医学研究所(IOM)から妊娠前BMIの程度に対応した体重増加の目安が提示されました。例えば妊娠前BMIが18.5未満の“やせ妊婦”であれば12.5~18kgの体重増加が推奨されています。(杏林大学)
https://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/introduction/kenkou/kenkou_15.html - 今後は一年かけてダイエットしていくそうです。
https://x.com/0220nicole/status/2092064756010213739
藤田ニコルさんのケース(妊娠中に約18kg増加、産後しばらくして8kg減、残りを1年かけて減らす予定)を踏まえつつ、調べてみました。
1)妊娠前にどれくらい体重が増加していいものなのか?
「妊娠前」に体重を増やすこと自体は、基本的に推奨されません。
理想は妊娠前に適正BMI(18.5〜24.9)を維持することです。
やせ(BMI18.5未満)の女性は、妊娠前に適正体重に近づける努力が推奨されます。
逆に過体重・肥満の場合は、妊娠前に無理のない範囲で減量する方が、妊娠糖尿病や高血圧などのリスクを下げやすいとされています。妊娠が成立してからの「妊娠中の体重増加」は、BMI別に以下の目安です(日本2021年)。
妊娠前BMI : 体重増加目安
18.5未満(やせ):12〜15kg
18.5〜25未満(普通):10〜13kg
25〜30未満(肥満1度):7〜10kg
30以上(肥満2度以上):個別対応(上限5kg程度が目安)
ニコルさんの18kg増加は、普通体型なら目安をやや超える水準です(やせ体型なら上限近く)。
増加の内訳は、胎児・胎盤・羊水・血液量・乳房・子宮・体脂肪などで、生理的に必要な部分が大半を占めます。
2)体重増加をする場合、妊娠糖尿病のリスクは上がらないのか?
過度な体重増加はリスクを上げます。
特に妊娠前BMIが高い場合や、妊娠中期までの増加が急な場合に関連が指摘されています。
過剰増加は巨大児・帝王切開・妊娠高血圧症候群のリスクも高まります。
一方、増加が少なすぎると低出生体重児・早産のリスクが上がります。
妊娠糖尿病の発症には、体重増加以外に年齢・家族歴・妊娠前の糖代謝状態なども大きく影響します。
体重を目安内にコントロールすることが予防・管理の基本ですが、「増やしてはいけない」わけではなく、適切な範囲で増やすことが大切です。
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3)1か月ほどで体重8キロを落としたのは早すぎないのか?
産後すぐ(出産直後〜1か月頃)に大幅に減るのはよくあることで、必ずしも「危険な早さ」とは限りません。
出産直後:赤ちゃん(約3kg)+胎盤・羊水・出血などで3〜5kg程度自然に減る。
産後1か月頃:血液量・体液の減少、子宮復古などでさらに1〜3kg程度減ることが多い。
合計で6〜8kg減は、妊娠中の増加が18kgだった場合、比較的自然な範囲に入る可能性があります(母乳育児だとさらに消費が加わります)。
ただし、極端な食事制限や過労による急速な減少は、母乳の質・量や母体の回復に影響し得るので注意が必要です。
体調不良や疲労が強い場合は医師に相談を。
4)どれくらいのペースで産後体重を落とすのが健康的なのか?
一般的な健康的な目安は以下の通りです。
産後6〜8週間(産褥期):積極的なダイエットは避け、回復優先。自然減に任せる。
その後〜産後6か月〜1年:週0.5kg程度(月2kg前後)の緩やかなペースが安全とされることが多い。母乳育児中は1日最低1,800kcal程度を確保する。
目標:産後6〜12か月で妊娠前体重に近づける。
藤田ニコルさんのように「1年かけて残りを落とす」計画は、無理のない健康的なペースです。
急激な制限は避け、バランスの良い食事+適度な運動(散歩から徐々に)が推奨されます。
個人差が大きいため、体調を優先してください。
5)「妊娠中の体重増加指導の目安」の日本と海外の違い
日本(2021年改定)は以前より緩められ、海外(IOM)に近づきましたが、まだやや控えめです。
妊娠前BMI:日本(2021):米国IOM(2009)
<18.5(やせ):12〜15kg:12.5〜18kg
18.5〜24.9(普通):10〜13kg:11.5〜16kg
25〜29.9(過体重):7〜10kg:6.8〜11.3kg
≧30(肥満):個別(上限5kg目安):5〜9kg
日本は以前(1990年代〜2000年代)より厳格で「増えすぎないように」と指導される傾向が強く、生理的増加を下回る可能性が指摘されていました。
2021年に改定され、やせ・普通体型の上限が引き上げられました。
海外は全体的に許容範囲が広く、特にやせ・普通体型で多めに増やしてよいとする傾向があります。
アジア人は欧米人より増加量が少ない傾向もあるため、日本独自の調整がなされています。
6)低出生体重児増加と「体重を気にしすぎ」の関連、平均身長低下について
国立成育医療研究センターの報告(2017年など)では、1980年以降生まれの日本人の平均成人身長がわずかに低下傾向にあり、低出生体重児の増加が一因である可能性が示されています。
低出生体重児の割合は1980年頃の約5%から近年約9%前後に増加しています。
主な関連要因として指摘されているのは以下です。
・妊娠前の「やせ」女性の増加(20〜30代女性の約20%がBMI18.5未満)
・妊娠中の体重増加不足(特にやせ・普通体型で増加が少ないケース)
・高齢出産・多胎・喫煙・早産の増加など
以前の厳格な「体重増加抑制指導」が、増加不足を助長した可能性は複数の研究で指摘されています。
これが低出生体重→成人後の身長に影響する流れも、一定のエビデンスがあります。
ただし、すべてが「指導のせい」というわけではなく、社会的なやせ願望や生活習慣も複合的に影響しています。
現在の日本の目安は、こうした反省を踏まえて「厳格に制限しすぎない」「個人差を考慮したゆるやかな指導」を強調しています。
適切な増加は、赤ちゃんの発育だけでなく、将来の健康(DOHaD学説:胎児期の環境が成人病リスクに影響)にもつながります。
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■まとめ
藤田ニコルさんの産後の自然減+1年かけた計画的な減量は、現実的で健康的なアプローチです。
体重は「増えすぎ・減りすぎ」の両方にリスクがあるため、極端に気にしすぎず、栄養バランスと体調を優先するのがおすすめです。
気になる点があれば、ぜひ産婦人科や栄養士に個別相談をしてくださいね。
【参考文献】
- 日本産科婦人科学会「妊娠中の体重増加指導の目安について」(2021年)
- 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(2021年)
- Institute of Medicine (IOM) “Weight Gain During Pregnancy: Reexamining the Guidelines”(2009年)
- 国立成育医療研究センター「日本人の平均身長は低下傾向―低出生体重児増加が影響している可能性あり―」(2017年)
- 杏林大学病院 健康コラム(妊娠中の体重増加に関する解説)
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