by Lisa Risager(画像:Creative Commons)
写真の撮り過ぎ、思い出薄れる? 心理学研究
(2013/12/11、AFP)
写真を撮ることで何かを忘れないようにしようとしても、それが逆効果になってしまうとする研究が、米心理学専門誌「サイコロジカル・サイエンス(Psychological Science)」に今週発表された。
米フェアフィールド大学の心理学者、リンダ・ヘンケル氏の研究によれば、写真を撮影していた人の方が、見学だけしていた人に比べて、対象物に関する認識が正確さを欠いていたそうです。
このことを、リンダ・ヘンケル氏は「写真撮影減殺効果」と名付けました。
「物事を覚えておくために技術の力に頼り、その出来事をカメラで記録することで、結局のところ自分自身で積極的に参加しようとする必要がなくなってしまい、経験したことをしっかり覚えておこうとしてもマイナスの効果を与えかねない」
この記事によれば、写真を撮ることによって、記憶することを写真に頼ってしまい、忘れっぽくなってしまうということですが、写真を撮るという作業によって、記憶することに集中ができなくなるとは考えられないでしょうか。
人間の注意力には限界があるので、物事を観察することと写真を撮ることという2つのことに集中力が分散されてしまうことで記憶することができなくなってしまうのではないでしょうか。
この記事を見てある台詞を思い出しました。
「俺たちのフィールド」というマンガで日本が初めてワールドカップに出場が決まる瞬間があり、そこで日本代表を追いかけていたカメラマンの女性が言ったセリフが印象的です。
「ファインダー越しなんか・・・もったいなくって」
「私はこの瞬間が観たかったんだ」
本当に見たいものはカメラのファインダー越しで見るよりも、自分の目に焼き付けたいと思うものではないのではないかと。
リンダ・ヘンケルさんが語っていることが印象的です。
「人々は何かというとすぐにカメラを取り出しては、ほとんど何も考えずにシャッターを切っている。目の前で起きていることを捉え損ねるほどだ」
最近は、何でも写真に撮ろうとしますよね。
ただ、カメラで撮ることに夢中で、目の前で起きていることを本当に捉えてはいないのかもしれません。
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