8割が自覚するスマホ依存症|スマホ以前・以後で生活は豊かになったか?

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by Japanexperterna.se(画像:Creative Commons)




私は“スマホ依存症”……8割の人が自覚

(2015/5/14、ITmediaニュース)

あなたはスマートフォンに依存していると思いますか? スマホを所有している15~59歳の男女に聞いたところ、80.5%の人が「依存している(かなり+やや)」であることが、MMD研究所の調査で分かった。

スマホに依存していると感じている人は約8割いることがわかったそうです。

スマホ依存は若い人に偏っているのかと思いましたが、アンケート結果によれば、

10代が84.2%、20代が86.6%、30代が80.0%、40代が81.6%と50代未満の8割以上

となっていたので、若い人に限っているわけではないようです。

私は“スマホ依存症”……8割の人が自覚(ニュースピクス)のコメント欄を見ると、スマホはインフラであるため、仕方がないというのが大半の意見でした。(アプリという性質上バイアスがかかるのは当然ですが)

ただ、そこで考えが止まってしまってはもったいないですよね。

こういうニュースが出てきた時に考えておきたいことは、スマホ以前・以後で自分の生活がより豊かになったかどうかという視点だと思います。

「ロマンチックなものの総量」を多くする生き方で紹介した「なぜデザインなのか」(著:原研哉 阿部雅世 対談)にこのような文章があります。

なぜデザインなのか。

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自分が一生の中で生み出すロマンチックなものの総量は変わらないかもしれない

スマホを利用するようになってから、インターネットで情報収集をしたり、メールを返信したり、アプリでコミュニケーションをしたり、暇な時にはゲームをしたり、などができるようになりました。

ただ、よく考えてみると、こうしてテクノロジーの恩恵を受けているかのようで、実際のロマンチックなものの総量は今と昔では変わらない、むしろ少なくなっていると考えられないでしょうか。

便利がよくなればなるほど、相手のことを考える時間が少なくなり、自分の都合だけしか考えていないようになっているのではないでしょうか。

つながっていても孤独?|つながりすぎることで失ったものとは何か?で紹介した「錯覚の科学」(著:クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ)にはこう書かれています。

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テクノロジーのおかげで、人は能力の限界を超えることができる。だが、どんな機械にも限界がある。それを私たちが認識して、はじめて機械は役に立つ。テクノロジーの限界を誤解すると、機械のせいで私たちは周りのものに気づきにくくなってしまう。

スマホというテクノロジーの進歩によって、人間は遠くにいる人といつでもどこでもつながることができ、いわば能力の限界を超えることができました。

しかし、そのことによって、私たちは、旧来のコミュニケーションの周りにある、気づかないけれど大事なことを見逃してしまっているのかもしれません。

スマホに依存しているのは仕方がないという意見で終わってしまうと、その周りにある大事なものが何かを見逃してしまうのではないでしょうか。

人生を楽しく生きるためには、便利や効率を追い求める生き方よりも、もっと別の観点、「ロマンティックなもの」の総量を多くする生き方について考えてみてはいかがですか?







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