■能力が低い人ほど、自己を高く評価している
by Chris & Karen Highland(画像:Creative Commons)
(2015/7/1、ダ・ヴィンチNEWS)
2000年にイグノーベル賞を受賞した英国のダニングとクルーガーは、このことをある実験により証明した。彼らは被験者に対して、論理的推論のセンスなどのテストを実施し、同時に、テストの結果について自己評価させた。すると、下位4分の1に属する底辺グループの平均得点は、下から12%のところに位置するものだったが、底辺グループの自己評価の平均は下から58%、「自分には平均以上の能力がある」と思い込んでいたという。最優秀グループでは、そのような過大評価はみられず、むしろ逆に自分の能力を実際よりも低く見積もる傾向が見られた。能力が低い人ほど、自己を高く評価していることがわかったという。
能力の低い人は、自分には能力があると過信する傾向があるそうです。
おそらくこのような傾向になりがちなのは、能力に対する物差し(基準)がないからです。
認知能力が向上すると、成績下位グルーブの過大評価傾向は弱まり、底辺グループのひとたちの著しい過大評価傾向は改善されることになった。
自分のことを過大評価している成績下位グループに能力を高めるトレーニングをさせ、能力が向上すると、自身の自信過剰は改善されるそうです。
何かを始めた時、やり始める前よりもやり始めた後のほうが、その道の頂上にいる人との距離が遠く感じませんか。
それこそが能力に対する物差しができたということだと思います。
■能力の高い人は自信過小で苦しむ?
“できる”人は自分より上の能力の人と自分を比べる「上方比較」をし、自分もそこに到達できるように努力するが、“できない”人は下の能力の人と比べて見下す「下方比較」をして安心しまう。
「錯覚の科学」(著:クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ)によれば、能力の高い人が逆の問題(自信過小)で苦しむことも少なくないそうです。
新品価格 |
ユーモア感覚が上位25%の被験者は、自分にユーモアのセンスがあるのかどうか、よくわかっていなかった-そして自分のユーモア度を、低く見積もっていた
企業やスポーツのチームでマネジメントをする立場の人は、こうした傾向を踏まえて対応するといいかもしれません。
【関連記事】