iPS細胞を用いて腎臓に似た構造を作ることに成功|マードック小児研究所


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iPS細胞から「人工腎臓」をつくりだす研究、また一歩前進

(2015/10/25、WIRED)

日本人研究者・高里実とメリッサ・リトルの率いるオーストラリアのパークヴィルにあるマードック小児研究所の研究者たちは、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いて、胚形成期の腎臓に似た構造を実験室内でつくることに成功した。

オーストリアのマードック小児研究所の研究チームは、iPS細胞を用いて腎臓に似た構造を作ることに成功したそうです。

今回の研究発表で大事なことは2つ。

一つは、まだ完全な「人工腎臓」ができたわけではないということ。

今回の成果は非常にリアルだが、大きなスケールで見ると、まだ腎臓全体の組織ではない。

人工腎臓ができたわけではないので、まだまだ研究することはたくさんあるのですが、研究が正しい方向に進んでいるのは確かだということです。

もう一つは、ヒトiPS細胞を用いて、胚形成期の腎臓に近い構造をつくることができたこと。

今回彼らが『ネイチャー』で報告した成果は、このネフロンや関連する尿細管のネットワーク、ヒト胚中で通常ネフロンを取り囲んでいる結合組織と血管の前駆細胞で構成される、複雑なオルガノイド(三次元細胞集合体)として成長させることに事実上成功した。

ネフロンとは腎臓構造の最小構成単位のことです。

腎臓とは

腎臓は、肝腎かなめといわれるように、肝臓と同様に重要な臓器の一つで、血液を濾過し、余分な老廃物や塩分を取り除くという、重要な役割を担っています。

さらに、赤血球を作るホルモンを作り、全身に酸素を行き渡らせたり、血圧を調整したりするなど、生命を維持する上で欠かすことのできない臓器です。

腎臓のろ過機能は糸球体で行われているのですが、その糸球体は損傷しても再生しないため、機能不全や損傷した場合は塩分・カリウムの制限や人工透析が必要となります。

■まとめ

腎臓機能は一度損傷してしまうと再生しないのですが、再生医療の研究が進むことによって、現在人工透析をしている多くの人が将来救われるようになるのではないでしょうか。







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