by Jamie McCaffrey(画像:Creative Commons)
ソニー創業者・井深大が2400人の幹部に発したパラダイムシフトという遺言
(2015/10/27、newswitch)
大衆の人全部が全然信じて疑わないこと、これがパラダイム
『マジックにだまされるのはなぜか 「注意」の心理学』(著:熊田孝恒)を参考にすれば、人間がもつ環境中の常識とも言える物理学的、生物学的ルールは次のようなものが例として挙げられます。
●「物体の永続性」
物体は何もしなければその場にあり続ける、ということを我々は知っている。
物体の永続性の概念は、生後5ヶ月程度の乳児にもあることが知られている。
●マジックの基本となる知識
- 何もないところから突然物体が現れることはない。
- 物の形は力が加わらなければ変わらない。
- 上に投げたものはやがて落ちてくる。
- 物はある場所から別の場所に瞬間移動しない。
- 壊れたものは、簡単にはもとに戻らない。
- 固形物が固形物の中を通り抜けることはない。
- 人間の体は切れたら簡単にはつながらない。
- 人間の体がありえない方向には曲がらない。
井深大さんのいう「パラダイム」とは違った捉え方をしているかもしれませんが、広義の意味で捉えれば、人が当然これは常識だと考えていることをパラダイムとします。
「デジタルだ、アナログだ」なんてのは、ほんと道具だてにしか過ぎない。これは技術革新にも入るか入らないくらい。
この意見を参考にすれば、ある問題を解決するにあたって、デジタル・アナログというのはアプローチの手段であって、本質的にはあまり関係がない。
問題を解決することが重要なのだから。
我々は現代の科学とういうもののパラダイムをぶち壊さなきゃほんとじゃない。物質だけというものの科学というものでは、もう次の世界では成り立たない、というところまで今きている。
それはどういうことかと言いますと、「デカルトがモノと心というのは二元的で両方独立するんだ」という表現をしている。これを話していたら1時間くらいかかるから、このぐらいにしておきますけど、モノと心と、あるいは人間と心というのは表裏一体である、というのが自然の姿だと思うんですよね。
それを考慮に入れることが、近代の科学のパラダイムを打ち破る、一番大きなキーだと思う。それが割に近いところで、我々がどういう商品を作ろうか、さっき話のあったカスタマーを満足させるためのモノをこしらえようか、というのは人間の心の問題だと思う。
「言語化できないけど心を動かすものが差異を生み出す」|猪子寿之さんと落合陽一さんの言葉よりでも書きましたが、言葉に出来ないけど、理論立てて言えないけど、何か心が動いてしまうものというのが大事なのだと思います。
仕組みはわからないけどすごいということはわかる。
感動するけど言葉では説明できない。
そんなことを追求していくことが、パラダイムを打ち破るキーとなるのだと思います。
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