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■膵臓がんを早期発見できる検査キットを開発|国立がん研究センター
by Steven Lilley(画像:Creative Commons)
(2015/11/9、時事通信)
同研究所は、たんぱく質「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」が善玉コレステロールを形成し、膵臓がん患者では血液中の濃度が低下することを米国立がん研究所との共同研究で確認した。
さらに検査キットを開発し、大阪府立成人病センターや福岡大病院などの協力を得て、患者と健康な人の血液で試したところ、早期の膵臓がんのほか、膵臓がんに至るリスクが高い慢性膵炎(すいえん)などを高い精度で検出できた。
国立がん研究センター研究所の本田一文ユニット長らは、膵臓がんを早期に検出できる血液中のたんぱく質「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」を見つけ、検査キットを開発したと発表しました。
すい臓がんを早期発見する方法を開発したのは15歳!?将来的には生存率が100%になる可能性も?で紹介した2013年に当時15歳のジャック・アンドレイカ君はすい臓がんを早期発見する画期的な方法を発見したことが話題になりました。
すい臓がんを発見する方法を簡単にまとめると、すい臓がんになると検出される8000種類のタンパク質を納めたデータベースの中から
・がんの初期段階からすべての患者において血中レベルが高くなる ・がんである場合のみ変化が見られる
というタンパク質を発見し、一種類の特定のタンパク質にだけ反応するという性質をもつ「抗体」の性質を組み合わせるというものです。
■まとめ
膵がん早期診断の血液バイオマーカーを発見 検査キットの開発にも成功、膵がん検診への実用化を目指す
(2015/11/9、国立がん研究センターニュースリリース)
ApoA2アイソフォームを単独またはCA19-9と組み合わせて検診として用いることで早期膵がんや膵がんリスク疾患の危険率が高い集団をスクリーニングし、その後の精密な画像検査等でそれらの疾患を診断することができれば、膵がんによる死亡率減少への貢献が期待されます。
今回の研究によれば、早期のすい臓がんだけでなく、膵臓がんに至るリスクが高い慢性膵炎などを高い精度で検出したということですので、検査キットが普及すれば、すい炎やすい臓がんの予防につながることが期待されます。
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