ピアノの進化がベートーヴェンの音楽に変化を与えた|テクノロジーがアートを進化させる


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by Zylenia(画像:Creative Commons)




■ピアノの進化がベートーヴェンの音楽に変化を与えた|テクノロジーがアートを進化させる

2015年12月27日放送のBSフジ「辻井伸行×オーストリア」の中で、ピアノの進化によって、4オクターブから5オクターブ出せるようになったことで、ベートーヴェンの音楽に変化を与えたというエピソードがありました。

ピアノの進化と共に歩んだベートーヴェンのソナタ

(2012/12/28、ピアノのブログ)

当時の鍵盤楽器(フォルテピアノ)は、現代のピアノに比べて、鍵盤の数がやや少なかったほか、タッチが軽く、また、ペダルの機構や音量についても違いがありました。

<中略>

1803年のこと、ベートーヴェンは、パリのエラール社からピアノを寄贈されました。

五オクターブ半の音域と四本のペダルを備え、さらに、このピアノの内部に張られた一鍵に対する弦の数は、以前の二本よりも多く、三本でした。

音楽的知識が少ないため、ここに書かれていることすべてが正しいのかどうかはわかりませんが、大事なことは、ピアノという道具が進化することによって、音楽が進化をしたという事実です。

つまり、テクノロジーの進化が先で、次にアートが進化するということです。

同様のことは絵画においても起きています。

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by Nicolas Buffler(画像:Creative Commons)

グラフィックアートの新たな可能性を探る 森俊夫教授 京都文教大学

実は、アートと技術革新は非常に密接な関係を持っています。例えば、屋外に出ての写生が可能となったのは、「絵の具を入れるためのチューブ」が開発されたから。絵の具が乾くことなく持ち運べるようになったことで、印象派と呼ばれる画家たちの作品も生まれたのです。

絵の具を入れるためのチューブが開発されたことによって、絵の具を持ち運びできるようになり、屋外に出ての写生が可能になったのです。

そして、今では、アートを作ることとテクノロジーを発明することが同じ意味になってきています。

Fairy _Lights_in_Femtoseconds

参考画像:Fairy Lights in Femtoseconds: Tangible Holographic Plasma (SIGGRAPH)|YouTubeスクリーンショット

落合陽一「あらゆる体験は多次元になる」×猪子寿之「高次元で考える」|これからの未来とは

今の時代は「アートをどうやって作るか」っていうことと、「テクノロジーをどうやって作るか」っていうことが近しい世の中になってきている。

<中略>

つまり、アーティストは昔はメディア(油絵・彫刻)の上で表現技法を発明するだけでよかったんですけど、今はあるメディアの上で通用する表現技法だけでなくて、メディアそのもの、つまり発明も同時に行っていかないとそれは芸術表現にならない時代です。

以前は、技術革新が起きた後に、アートの進化が起きていたのですが、現在では、新しい芸術表現をするためには、新しいテクノロジーを発明する必要があるというところに来ているんですね。

つまり、これからのアーティストというのは、アーティストであると同時に、テクノロジストでもなければなれないということなのです。







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