■お正月・年末年始には心停止が増える!?|新潟の研究チームによる調査
by Mircea(画像:Creative Commons)
(2015/12/30、medley)
年末年始の期間で、院外心停止の発生件数が1.3から1.6倍に増えていました。内訳では、心臓病以外の原因での心停止の比率が高まり、またその場合人の集まるところで倒れる比率も高まっています。
新潟の研究チームが、2005年から東日本大震災前までの消防庁のデータを使用し、701,651件の院外心停止の発生の詳細を調べたところ、1年の中で、年末年始の期間に発生件数が増えることがわかったそうです。
日本では、院外心停止は1日のうちでは朝、週のうちでは月曜に、季節のうちでは冬に発生件数が多くなることが京都の研究チームにより報告されていました。
冬の中でも、年末年始の期間に心停止が増えるというのは何か理由がありそうです。
■なぜ年末年始には心停止が増えるの?【仮説】
年末年始には心停止が増える理由について考えてみたいと思います。
●冬に多い
寒い中に無理に出かけると身体に負担がかかりやすいと考えられます。
●忘年会・新年会
年末年始はイベントごとも多く、忘年会・新年会などで胃や肝臓が疲れている方も多いようです。
日ごろの生活習慣とは違ったことをすることで、身体への負担もかかると考えられます。
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●温度差
私たちの血管は、温度の高い所では熱を放出しようと広がり、温度の低い所では、熱を逃がさぬよう収縮するため、血圧が急上昇します。
この温度差が大きいほど血圧は上がり、心筋梗塞になるリスクが高まります。
特に気を付けたいのがお風呂。
43度というちょっと熱い温度は、血圧と心拍数が急上昇することで心臓に負担をかけ、そして赤血球や血小板がくっつきやすくなり、固まって血栓になりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の大きい原因となるそうです。
入浴時に気を付けてほしい人は次の条件です。
○熱い風呂が大好きな人(驚がく反応等の結果、血圧低下を起こしやすい)
○動脈硬化のある人(血管にしなやかさがないため、血圧が急上昇・急降下しやすい)
○高血圧の人(元々血圧が高い人ほど、下がるときの幅も大きい)
○65歳以上(動脈硬化、高血圧になっている割合が高い)
○飲酒後に入浴する人(飲酒や食事のあとは、血圧が下がっている)
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●人の集まるところで倒れる
人が集まっていることで楽しくなってしまい、体に無理してしまうという人がいることが考えられます。
もう一つ考えられるのは、集団の中にいるときのストレスです。
ボディタッチとパーソナルスペースの関係とは?|ボディタッチの心理的効果によれば、満員電車内では、周りにいる人同士のパーソナルスペースを侵害しあっているため、緊張感やストレスが生まれているそうです。
■まとめ
年末年始には心停止が増えやすいというそのはっきりとした原因はわかりませんので、大事なことは起きた時にどのように対処するかです。
AED 市民救命で社会復帰2倍 京大、心停止患者調査によれば、一般市民によるAED(自動体外式除細動器)による除細動を受けた人(心室細動が起こってAEDが必要になった患者)の社会復帰率は全体の2倍だったそうです。
起きた時にできる範囲での救急処置をできるように勉強しておきたいですね。
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【参考リンク】
- AEDを知っていますか – 日本心臓財団
- 救命措置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用) – PDFファイル、総務省消防庁