■運動後に気分が落ちつく音楽を聴くと、自律神経活動に良い効果がある
by Francisco Osorio(画像:Creative Commons)
(2016/2/15、QLifePro)
心大疾患患者は運動を習慣的に継続することで、自律神経活動のアンバランスが改善するが、副交感神経活動の回復反応の遅れは運動後の致死性の不整脈の発生や心臓突然死のリスクを高めるため、運動後の副交感神経活動の回復を高めることは重要な課題となっている。
一方、音楽には、自律神経活動を調整する効果を有しているといわれており、特に気分を落ち着かせるような音楽は、副交感神経活動を高めることが明らかになっている。
東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野の小川佳子助教、上月正博教授らの研究グループによれば、自分で選んだ気分を落ち着かせるような音楽を運動後に聴くと副交感神経活動の低下を和らげたそうです。
運動をすると、短期的には、交感神経活動が増加したり、副交感神経活動が低下したりするそうですが、副交感神経活動の回復反応の遅れは運動後の不整脈の発生や心臓突然死のリスクを高めることがあります。
今回の研究によって、運動と音楽を併用することによって、より安全に運動することができることがわかりました。
不整脈や突然死のリスクを下げるためにも、運動後にはあなた自身の好きな気分を落ち着かせる音楽を聴いてくださいね。
【関連記事】
- 音楽で運動後の心疾患リスクを減らす可能性~音楽は運動後の副交感神経活動の低下を和らげる~ (2016/2/10、東北大学)
P.S.
カナダのマギル大学の研究によれば、運動をしながら音楽を聴くと、苦しさが和らぎ、体の負担が軽くなるそうです。
ポイントは2点。
●音楽を聴くことで、脳にオピオイドという鎮痛効果がある天然の化学物質が放出される
●音楽を聴くことで、ドーパミンが放出され、体の負担が半分に感じられる
音楽のテンポとノリによって、無意識のうちに運動量が変わる!?
ベルギーのGhent大学の研究者、Marc Lemanさんによると、人はエクササイズ中に聴く音楽のテンポとノリによって、無意識のうちに運動量が変わる
運動をするときに音楽を聴くことで運動量が変わったり、身体の負担が軽くなるそうです。
そして、今回の研究によれば、気分が落ち着く音楽を聴くことで、病気のリスクを下げることができるということですので、運動に音楽は欠かせないものといえるかもしれませんね。
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