by Global Stomping(画像:Creative Commons)
(2016/1/9、まぐまぐニュース)
高城剛さんと石田衣良さんの対談では、これからのコンテンツのヒントが出ていたのではないでしょうか。
■コンテンツはナマ物
高城:コンテンツってナマ物ですよね。
コンテンツには、それまで全くほど注目されていなかったものが、何かがきっかけとなって、突然人気になるものがあります。
コンテンツには、鮮度という要素があって、その時に、いかに鮮度の良い情報を提供できるかが重要になってきます。
■世界的に見ると音楽市場は伸びている
高城:ただ世界的に見ると、ライブなどの収入益がものすごいわけですから。結果、多角経営をしているので、昔のアーティストより稼いでますよ。DJなんかが典型です。
音楽業界は斜陽産業のような扱いをされることもありますが、世界的に見ると、ライブなどの多角経営によって収益が伸びているそうです。
コンテンツ業界において、最も早く大きな変化があった音楽業界から学べることは多いはずです。
その音楽業界が出した答えが、「ライブ」なのですから、ここにヒントが隠されているといっても過言ではないでしょう。
■「会う」「ライブ」「生」というモノの価値観が高くなっている
高城:時代は、想像以上にインターネットの力が大きくなってきてるから「会う」「ライブ」「生」というモノの価値観が想像以上に高くなってきてるんですよ。
2016年3月9日放送のバイキング(フジテレビ系)で的場浩司さんと前園真聖さんが最強スイーツ男子決定戦でスイーツのプレゼンをした時に的場さんが言った言葉が印象的です。
「生(黒船のMIRAIカステラの試食)には勝てないよ」
誰もがそれを感じているはずです。
生・ライブには勝てないと。
それはどういうことなのでしょうか。
インターネットが普及したことで人は様々な情報を知ることができるようになりました。
しかし、そのインターネットにも欠点があります。
インターネットの欠点は、人間には五感があるけれども、インターネットでは眼と耳だけの刺激の世界になってしまうということ。
インターネットと「会う」「ライブ」「生」との大きな違いは「情報量」です。
圧倒的に情報量が違うのです。
人は情報量が多いもの=刺激が多いものを求めてしまうものです。
「コンテンツの秘密」(著:川上 量生)ではジブリ映画の人気の秘密に「情報量の多さ」を挙げていました。
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しかし、情報量の順番からすれば、「実写映画>線の多いアニメ>線の少ないアニメ」の順に情報量が多いのですが、実際にはそうではありません。
なぜなのでしょうか?
それは、川上量生さんによれば、情報量には、主観的情報量と客観的情報量の違いがあることが関係しているそうです。
主観的情報量とは、人間の脳が認識している情報の量。
客観的情報量とは、客観的基準で測れる情報の量。(例:線の数など)
人間が認識している現実とは、主観的情報で見た現実であるため、客観的な情報をいかに増やしても、脳にとって気持ちの良いものではないのです。
つまり、優れたコンテンツというのは、
少ない客観的情報で多くの主観的情報を提供する
ものだということです。
■まとめ
コンテンツ業界のヒントは、「情報量をいかに多くするか」にあるのです。
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