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■東大とNTTドコモ、ResearchKitで糖尿病と生活習慣の関連性を研究するアプリ「GlucoNote」を開発
参考画像:GlucoNote|App Store
東大とドコモ、ResearchKitで日常生活と糖尿病の関連性を研究するアプリ「GlucoNote」を開発
(2016/3/14、Itmediaヘルスケア)
GlucoNoteは、従来の臨床研究では収集が難しかった、家庭で計測した血糖値や血圧、体重、活動量などのデータ、そして食事、運動、睡眠といった生活習慣に関する情報を継続的に収集することができ、これによって2型糖尿病患者や糖尿病予備群の健康状態と日常生活の関連性を多角的に調査します。
東京大学とNTTドコモが、Appleの「ResearchKit」を活用し、2型糖尿病患者と糖尿病予備群を対象としたアプリ「GlucoNote」を開発し、糖尿病と生活習慣の関連性を検証するそうです。
ResearchKitは、医学・医療研究用のiPhoneアプリを開発するためのオープンソースのソフトウェアフレームワークです。
このツールを活用することにはメリットとデメリットがあります。
【メリット】
1.短時間で医学研究の協力者を集めることが可能になる
通常の方法で医学研究の協力者を集めるには、かなりの時間を要するのですが、この方法を用いると短時間で集めることが可能になります。
2.データの精度の向上
また、自動的に記録するため、データをとるタイミングが一定となり、データの精度が向上することが期待されます。
人によっては意図的でもそうでなくても間違いを記入するということもありますが、そういったことも排除することができ、データの精度がより正確になると考えられます。
【デメリット】
この研究方法には2点ほど気になることがあります。
1.データの偏り
RESEARCHKIT、50以上の医療機関が協力しても1年以上はかかることを24時間で達成
世論調査のCivicScienceによれば、平均的なAndroidユーザーと比べ、iPhoneユーザーは大学院卒や博士号取得者が多いという結果が出ています。
iPhoneユーザーには大学院卒や博士号取得者が多いそうです。
「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるものー厚生労働省調査によれば、男女問わず、年収が高い人ほど野菜摂取量が多い、もしくは、野菜摂取量が多い人ほど年収が高いといえます。
低収入ほど野菜不足-厚労省栄養調査で紹介した厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。
また、低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないという記事によれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。
健康格差とはや健康格差は、収入・学歴などが要因?でも取り上げましたが、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということがWHOでも一つの問題として注目されているようです。
つまり、所得の格差が健康の格差を生むことによって、データに偏りが出てくるのではないかと考えられるのです。
2.誤操作などによってデータが正確でなくなる
RESEARCHKIT、50以上の医療機関が協力しても1年以上はかかることを24時間で達成
また間違ってボタンを押してしまう、ほかの人がiPhoneを持ち歩くといったケースにより、データが正確でなくなることも考えられます
この問題は外れ値として排除できると思われるのでそれほど大きな問題とはならないかと思います。
■まとめ
この研究のゴールは、スマホを活用して生活習慣が改善できるように自己管理を支援し、同時に生活習慣(食事、運動、睡眠)と在宅測定データ(血糖値、血圧、体重、活動量)の関係を明らかにし、より適切な自己管理支援につなげること。
この研究によって、糖尿病と生活習慣の関連性がわかれば、糖尿病の治療に大きく役立つ可能性があります。
世界的にも糖尿病患者が増えていますので、研究が成功するといいですね。
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