by Tony Alter(画像:Creative Commons)
(2016/4/1、WEDGE Infinity)
インペリアル・コレッジ・ロンドンの研究者らが186カ国の2000万人近い男女の体格指数(BMI)データを集めて分析したところ、肥満とされた人の数は、1975年に1億500万人だったが、2014年には6億4100万人まで増加した。一方、やせ過ぎとされた人は、1975年の3億3000万人から2014年の4億6200万人に増加した。
インペリアル・コレッジ・ロンドンの研究者が、BMIデータを分析したところ、肥満の人とやせすぎの人は次のような結果になったそうです。
●肥満
1975年 1億 500万人 → 2014年 6億4100万人
●やせすぎ
1975年 3億3000万人 → 2014年 4億6200万人
肥満人口が栄養不足人口を上回る、赤十字社2011年報告書で紹介した国際赤十字社の2011年版「世界災害報告(World Disasters Report)」によれば、2010年の肥満人口は15億人で、栄養不足人口は9億2500万人でした。
つまり、世界全体においては、飢餓で悩む人々よりも、肥満による健康への悪影響で悩む人のほうが多いということになります。
世界中で 欧米型のライフスタイルが浸透したことによって、肥満の人々が増えており、肥満によって、糖尿病や脳卒中、心疾患、そして腰痛などのケガの原因になっているようです。
「肥満は地球の脅威」|ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院の研究チーム論文で紹介したロンドン大学衛生学熱帯医学大学院の研究チームによれば、肥満化がアメリカ国民と同じペースで進行すれば、地球の食料資源にとって重大な脅威となるようです。
肥満によって、食糧資源がなくなってしまうのが早いのか、それとも、肥満による健康への悪影響によって世界が成り立たなくなるのが早いのか、どちらなのでしょうか?
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P.S.
今回の記事で気になったのは、やせすぎの人口が増えていることです。
今回の記事では貧困によるものかそれとも別の原因によるものかは書かれていませんでしたが、もしこれが女性のやせすぎ問題に関わることでしたら、かなり増加している印象を受けます。
20代女性の5人に一人が「やせ」|摂取カロリーは終戦直後よりも少なくなっている!?によれば、20代女性の5人に一人が「やせ(BMI18.5未満)」という状態であるそうです。
また、2013年の20代女性の平均エネルギー摂取量は、終戦直後よりも少ないそうです。
赤ちゃん 出生体重、戦前を下回る 母体のやせすぎ、喫煙が影響によれば、減り続ける赤ちゃんの出生体重が、戦前の水準さえ下回っており、赤ちゃんの体重が減少しているのは、やせすぎや喫煙、ストレスが原因なのではないかと考えられるそうです。
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