赤血球の機能を代替する人工血液の研究が進んでいる|献血者比率の低下で将来は血液が足りなくなる!?

Marató de Donants de Sang 2.0 de Catalunya

by Banc de Sang i Teixits(画像:Creative Commons)

【目次】




■献血者比率が低下している

2027年には延べ約85万人分の血液が不足すると推計|日本赤十字社シミュレーションで紹介した日本赤十字社が2014年に発表したシミュレーションでは、少子高齢化によって2027年には延べ約85万人分の血液が不足すると推計しているそうです。

献血の廃棄基準、肝機能の値「ALT(GPT)」を大幅に緩和によれば、献血者数は1994年の662万人から2013年は516万人へと減少しているそうです。

少子高齢化は「献血」にも影響を与えているで紹介した東京都の年代別輸血状況調査によると、輸血用血液製剤の約85%は50歳以上の方々に使われています。

一方、献血に協力している方の年齢層を見ると約78%が50歳未満(その内の約27%が16-29歳)と、健康な若い世代が高齢者医療の多くを支えている現状があります。

医学・技術進歩で非開腹手術が普及し、また輸血必要量の予測が適正化されたため、血液自体の需要は低下しているそうですが、現在の献血者比率がこのまま推移していくと仮定すると、供給量の低下を十分に補えるかは厳しいようです。

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■なぜ献血を呼び掛け続けなければならないのか?

献血からつくられる輸血用血液には種類があり、出血防止に必要な血中の要素を取り出した「血漿(けっしょう)製剤」は採血後1年間もつが、外科手術の出血時などに用いられる「赤血球製剤」は採血後21日間、止血機能をもつ「血小板製剤」は採血後4日間しか使うことができない。

献血からつくられる血液製剤の有効期限が短いため、継続的に献血を呼び掛けなければならないそうです。

献血者比率が低下していて、献血から作られる血液製剤の有効期限が短いことから、人工血液の研究に注目が集まっています。




■人工血液の研究

減り続ける献血可能人口、「足りない血液」を補う人工血液の研究進む

(2016/4/6、THE PAGE)

小松教授が2013年に開発したのが、赤血球の機能を代替する人工血液(人工酸素運搬体)だ。小松教授は3個のヒト血清アルブミン分子でヘモグロビン分子1つを包みこむ構造を考えた。

中央大学理工学部応用化学科の小松晃之教授が研究しているのは、赤血球の機能を代替する人工血液(人工酸素運搬体)です。

保存期間は検証中だが、本物の血液から取り出した赤血球が3週間程度しか保存できないのに対し、少なくとも数カ月はもつという。

人工血液ならば保存期間が長いため、実用化すれば、人工血液が様々な医療機関で常備されるようになるかもしれません。

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少子高齢化は「献血」にも影響を与えている

2008年8月にAdvanced Cell TechnologyがES細胞から大量の赤血球を生成するのに成功していた(AFP)が、その後も順調に研究開発が進んでいるようだ。

2011年12月にも、中村壮iPS細胞研究所特定研究員(臨床応用研究部門)・江藤浩之同教授(同研究部門)・東京大学幹細胞治療研究センターの共同研究で、ヒトiPS細胞から大量に血小板を作製する方法が開発されたと公表された(京都大学)。

臨床実験も行われており、ピエール・マリー・キュリー大学のLuc Douay氏は、造血幹細胞を被験者から取り出し、赤血球を培養して、被験者の体内に戻す実験を行っている。5日経過では94~100%、26日経過で41~63%の培養赤血球が体内に残っており、これは体内で生成された赤血球と変わらないそうだ(POPSCI)。

この他にもDAPRAは人工血液製造機の開発を行っており、既にFDAにへその緒から血液を製造するArteriocyte社製の機械の認可を求めているようだ(POPSCI)。血液の品質保持期限は短く、戦場で大量に負傷兵に供給するには、献血では間に合わないそうだ。







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