【ことばの注意報】子供たちのボキャ貧が深刻化し、感情表現ができない|語彙力不足を改善する方法

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by RCabanilla(画像:Creative Commons)




【ことばの注意報】子供たちのボキャ貧が深刻化し、感情表現ができない

感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化

(2016/5/5、産経新聞)

自身の気持ちを表現するのは「キモい」「ウザい」「ヤバい」だけ。比喩が理解できず、慣用表現を使いこなせない…。スマートフォンの普及により、毎日多くの情報に接し、SNSを日常的なコミュニケーションに使う子供や若者の日本語に異変が起きているようだ。

子供たちに自分の気持ちを表現するためのボキャブラリー不足(ボキャ貧・語彙力不足)が起きているそうです。

また、相手や状況に応じて言葉遣いを変えることができないそうです。

子供たちのボキャブラリー不足がなぜ起きているのでしょうか?

記事の中には以前のデータとの比較がないため、実際に語彙力が減っているのかどうかはわかりませんが、現代の子供たちのボキャブラリーが減っているという前提で、その原因について考えてみたいと思います。

1.SNSの影響

その理由の一つとして、コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」に代表されるSNSの影響が挙げられています。

「ラインは基本的に仲間内の会話で、短文。スタンプを使えば、言葉にせずに心情を表現できる。そうしたコミュニケーションが当たり前だと思ってしまっているのではないか」

なぜSNSの文章は記憶に残りやすい?!によれば、英ウォーリック大学のローラ・ミキズ率いる研究チームの実験によれば、SNSに書き込まれる文章の方が、書籍の文章に比べて、記憶が残っている確率が高かったそうです。

くだけていて編集されていないもののほうが、より『頭に入りやすい』ため、SNSの文章は記憶に残りやすいそうです。

また、ラインの場合は、感情表現をする言葉をスタンプで表現をするため、心情を伝える言葉を言葉ではなく絵として表現しているようです。

2.ゲームの影響

長時間のゲームは子供の脳の発達や言語知能に悪影響の可能性がある!?|東北大で紹介した東北大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループによれば、長時間のビデオゲームが子どもの広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見したそうです。

3.家庭でのコミュニケーション不足

2歳以下の子供がスマホで遊ぶ時間が長いほどコミュニケーション能力の発達が遅れる可能性がある|研究によれば、カナダ・オンタリオ州トロントの「Hospital for Sick Children(病気の子供のための病院)」の小児科医キャサリン・バーケン博士が行なった研究によれば、生後6か月から2歳までの子供によるスマホやタブレット、携帯ゲーム機などで遊ぶ時間が長いほど、言語の発達が遅れる可能性が高くなることが分かったそうです。

「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針によれば、親が喋らないと、子供は親の言葉を聞くことができないために、言語の発達が遅れてしまうそうです。

中流階級の家庭の子どもは貧しい家の子どもより2300万語多く言葉を聞いている?によれば、生まれてから3歳までの間、裕福で安定した家庭で育つ子どもは貧しく不安定な家庭で育つ子供よりも、両親の口から肯定的な言葉を44万個以上も聞くのだそうですが、このことは子供の性格にも影響を与えそうです。

また、貧困家庭ではコミュニケーション不足が発生しやすく、その環境で育った子供が成長し家庭を持つと、同じ事を繰り返してしまうようです。




■語彙力のある子供を育てるには

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by Reyes Blanch (画像:Creative Commons)

文字のない絵本の読み聞かせが子供の語彙力を育む!?で紹介したカナダのウォータールー大学の心理学者の研究によれば、子供のボキャブラリーを増やしたいというご両親は、絵と呼応する単語が並ぶ絵本よりも文字のない絵本を選ぶほうが良いそうです。

それはなぜなのでしょうか?

文字のない絵本の場合、子供の体験と絡めた話をしたり、創造をふくらませる会話をしたり、また、子供からの質問に答えるために高度な言葉を使うために、子供の語彙力が育まれるそうです。

 

■まとめ

言葉を習得するには「聞く」・「繰り返す」・「会話」が不可欠です。

仲間内の横のつながりだけでコミュニケーションをとるようにするのではなく、親子間や社会との縦のつながりでコミュニケーションをする機会を増やすことがボキャブラリー不足の解消に欠かせません。

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