2016年7月12日放送のみんなの家庭の医学では「食後高脂血症」について取り上げました。
【目次】
■動脈硬化
by Amy(画像:Creative Commons)
動脈硬化とは、動脈にコレステロールや中性脂肪などがたまって、詰まったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態をいい、動脈硬化になると、スムーズに血液が流れなくなります。
動脈が弾力性や柔軟性に富んでいれば、心臓や脳などの臓器や筋肉などの組織に必要な酸素や栄養の供給は行なわれます。
しかしコレステロールなど血液の脂質が、動脈にたまったり、酸素や栄養が不足したり、高血圧により常に血管に負担がかかったりしていると、動脈は弾力性を失い硬く、もろくなってしまいます。
このような状態を「動脈硬化(どうみゃくこうか)」といいます。
→ 動脈硬化とは|動脈硬化の症状・原因・改善方法 について詳しくはこちら
動脈硬化の原因は、肥満・喫煙・運動不足・ストレス。
特に大きな影響を及ぼすのは「食生活」で、脂っこいものの食べ過ぎには注意が必要です。
→ 動脈硬化改善・予防に良い食事・食べ物・食品 について詳しくはこちら
■隠れ中性脂肪
動脈硬化かどうかを判断するうえで、健康診断で検査する中性脂肪やコレステロール値に異常があるかどうかは重要な判断材料です。
しかし、中性脂肪値・コレステロール値に異常がないにもかかわらず、動脈硬化が進行している場合があり、これには「隠れ中性脂肪」がかかわっているそうです。
隠れ中性脂肪をチェックする方法は、食後に行なう血液検査です。
通常、健康診断で行う血液検査では、空腹の状態で採血を行ないますが、隠れ中性脂肪は食後に増加する中性脂肪であるため、食後に採血を行ない検査をすることで見つけることができます。
■食後高脂血症
食後高脂血症とは、検査時(空腹時)にコレステロール値や中性脂肪値が正常でも、食後の値が下がりにくいものをいいます。
誰しも食後は中性脂肪が増えます。
しかし、人によっては食後の中性脂肪値やコレステロール値が下がりにくくなることがあります。
中性脂肪が増えると、中性脂肪を分解する「リポ蛋白リパーゼ」という酵素が分泌され、中性脂肪が分解されます。
しかし、何らかの原因でリポ蛋白リパーゼの働きが弱まると、中性脂肪を分解することができずに、中性脂肪の基準値をオーバーしてしまうことがあるのです。
→ 高脂血症 について詳しくはこちら
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■食後高脂血症の原因
食後高脂血症になりやすい人は、昔に比べて太ってしまった人です。
昔に比べて太ってしまった人は、内臓脂肪がついている可能性が高く、内臓脂肪が多い人ほど、食後高脂血症になりやすいそうです。
→ 内臓脂肪を減らす方法 について詳しくはこちら
【補足】
アディポネクチンは、中性脂肪の燃焼を助けるホルモンで、内臓脂肪が少ないほど分泌量が増えるそうです。
反対に、メタボリックシンドロームが進行する=内臓脂肪が増えると、アディポネクチンは減少してしまいます。
そのため、内臓脂肪が増えている人は、中性脂肪を分解する能力が低くなっていると考えられます。
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■食後高脂血症を防ぐ方法
1.水溶性食物繊維を食事の最初に食べる
水溶性食物繊維は、腸に入るとゲル状に変化し、腸の内壁に付いて、脂肪分などの吸収を抑える効果があるそうです。
また、中性脂肪を分解するリポ蛋白リパーゼの働きを活性化してくれるそうです。
そのため、水溶性食物繊維を食事の最初に食べておくと、中性脂肪の急上昇を防ぐことができるそうです。
【水溶性食物繊維を含む食品】
●ネバネバした食品
納豆・オクラ・なめこ・なめたけなど
●海藻類
ノリ・ワカメ・寒天・昆布など
●根菜類
大根・人参・ゴボウなど
→ 食物繊維の多い食品 について詳しくはこちら
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2.食後の運動
食事をしてから30分~1時間後に運動するのが良いそうです。
運動は、10分のウォーキングなど軽いものでもよいそうです。
食後に脂肪分が血液中に流れ出してくるのが、30分から1時間後で、そのタイミングで有酸素運動を行なうと食後の中性脂肪を下げることができるそうです。
【補足】
肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質が増えていることがわかったそうです。
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■まとめ
食後高脂血症とは、検査時(空腹時)にコレステロール値や中性脂肪値が正常でも、食後の値が下がりにくいものをいいます。
食後高脂血症を防ぐには、2つの方法があります。
1.水溶性食物繊維を食事の最初に食べる
2.食後の運動
→ 中性脂肪の減らし方(食事・運動・サプリメント) について詳しくはこちら
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