40歳以上の人が週25時間以上働くと認識能力に悪影響が出る|研究




■40歳以上の人が週25時間以上働くと認識能力に悪影響が出る|研究

Hard Work (Vicios I)

by Eneas De Troya(画像:Creative Commons)

40歳以上で週25時間以上働くと認識能力に悪影響が出る

(2016/7/20、GIGAZINE)

40歳以上の人々の労働時間と認識能力について調査を行ったところ、1週間の労働時間が25時間を超えると認識能力に悪影響が出るということがわかりました。

Use It Too Much and Lose It? The Effect of Working Hours on Cognitive Ability – Shinya Kajitani, Colin McKenzie and Kei Sakata
(PDFファイル)https://www.melbourneinstitute.com/downloads/working_paper_series/wp2016n07.pdf

これは明星大学経済学部の梶谷真也准教授、慶應義塾大学経済学部のコリン・マッケンジー教授、立命館大学経済学部の坂田圭教授による研究で、メルボルン大学の「The Household, Income and Labour Dynamics in Australia (HILDA) Survey」という、世帯・所得・労働の変遷についての調査結果が利用されています。

明星大学経済学部の梶谷真也准教授、慶應義塾大学経済学部のコリン・マッケンジー教授、立命館大学経済学部の坂田圭教授による研究によれば、40歳以上の人々の労働時間と認識能力について調査を行ったところ、1週間の労働時間が25時間を超えると認識能力に悪影響が出るということがわかったそうです。

仮に週5日労働だとすると、一日5時間労働になるわけですから、働いているほとんどの人が認識能力に悪影響が出ているということになります。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

リツイートはあなたの決断力を疲労させ、誤った決定を行なってしまう原因になる!?によれば、認知的疲労とは、精神的に疲れる作業をしてエネルギーを使い果たした時に、認知力(特に注意力)が減少した状態であり、私たちの持つ認知力(特に注意力)は筋肉を使えば疲れるように、使えば使うほど消耗してしまうのです。

デンマーク国立社会研究所の調査によれば、遅い時間帯に受けたテストの方が得点が低いことがわかったそうです。

これには、午前中よりも午後のほうが認知力(特に集中力)が低下していることが関係していると考えられています。

集中力を維持するには、脳ではなく「いい姿勢」と「筋力」が重要!?で紹介した池谷裕二さんによれば、脳と集中力には関係がないそうで、むしろ、集中力は姿勢と筋力が密接に関係があるそうです。

姿勢を維持するための筋力の疲労により、集中力が低下すると考えられます。

つまり、長時間労働をすることは企業としては損失が大きいため、労働時間を少なくするか、もしくは、リフレッシュする機会を設けたほうが良いということになります。

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■脳の認知機能を高める方法

●運動

軽い運動でも脳の認知機能は向上する!?によれば、ウォーキング程度の軽い運動を短時間行なっても脳の認知機能が高まることがわかったそうです。

仕事の合間に運動をするとモチベーションや生産性がアップするという研究結果で紹介したエロン大学で行なわれた調査結果によると、運動後は運動前よりも元気になるだけでなく、認知能力の向上も見られたそうです。

運動をすると頭も体もスマートになる?によれば、運動の結果、脳の最大酸素摂取量が上がり、被験者たちの認知能力に大幅な改善が見られた、と博士は語っているそうです。

このことを知ってか知らずか、起業家やビジネスマンの中には積極的に運動をしている人もいます。

起業家の成功の秘訣は「睡眠、食事、運動」

例えば、PayPal社の創設者であるマックス・レヴチンは熱心なサイクリストで、Trulia社の社長サミ・インキネンは世界的なトライアスロン選手、Path社の最高経営責任者(CEO)であるデイヴ・モリンは、米国代表チーム級のスキーヤーだ。

運動を続けるとストレスに強くなる?その科学的根拠とは?

数週間運動を続けると、ストレス耐性に効果があると考えられるということ。

ただし、短期間では成果ができるものではないということ。

できるビジネスマンが運動を生活習慣の一部に取り入れているのは、体力づくりや健康のためだけでなく、こういうこともあるのかもしれませんね。

たとえば、日本マクドナルド・原田社長は、毎朝10.5キロのジョギングが日課で、週末は自転車100キロ走るそうです。

【参考記事】

「ON、OFFのけじめが、クレージーな発想を生む」/日本マクドナルド・原田社長(2009/11/12、プレジデント)

●癒し画像を見る

「癒やし」画像を見ると、疲労が緩和し、集中力や能率の低下を抑えられる!?で紹介した理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターなどのグループによれば、南国の青い海や空など「癒やし」を感じる画像を作業の合間に見ると、実際に疲労が和らぎ、集中力や能率の低下を抑えられることがわかったそうです。

●昼寝

昼寝の効果を最大化する昼寝時間は「10分」がベスト?によれば、昼寝(10分)をすると、眠気や疲労、やる気、認知パフォーマンスなどのあらゆる面で著しい改善がみられたそうです

●歯磨き

花王、歯磨き行動の脳への作用を研究で紹介した花王のヒューマンヘルスケア研究センターによれば、疲労後に歯磨きをすると、しない場合と比べ、脳の疲労は有意に低減し、また注意力も高まる傾向が認められたそうです。

また、心理状態についても、疲労後に歯磨きをすると、リフレッシュ感が有意に高まり、集中力やすっきり感も上昇する傾向が認められたそうです。

■長時間労働は病気のリスクを高める!

一日11時間以上働くと心臓発作の確率が67%上がるで紹介したユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームによれば、一日に11時間以上働いている人は、標準労働時間の7時間から8時間働いている人たちより、心臓発作の確率が67%高かったそうです。

長時間労働の人は脳卒中のリスクが高くなる!?で紹介した英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのミカ・キビマキ(Mika Kivimaki)教授らの研究によれば、週の労働時間が55時間以上の人は、35~40時間の人に比べて脳卒中のリスクが33%高まる可能性があるそうです。

製造業従事者の健康状態に問題―中国で紹介した調査組織委員会主席の韓小紅(ハン・シャオホン)博士によれば、「製造業界では、約8割が1日8時間以上働き、6割が週休2日を実施できておらず、約7割が疲労を感じている」とし、長時間の労働に加え、休憩やトレーニング不足が健康状態を悪化させているそうです。

■まとめ

一日5時間の労働で認識能力に悪影響が出るそうなので、労働時間を少なくするか、しっかりと休息をとる必要がありそうです。







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